1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトパピロ-マウィルス16型DNAE_6E_7領域遺伝子蛋白の解析とその臨床応用
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02670739
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 正樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10127186)
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Keywords | HPV / E_6E_7 / Fusion Protein / ELISA / cervical Cancer / Antibody / Tumor Marker |
Research Abstract |
初年度において極めて特異性の高いfusion protein(S10ーProteinAーE_6,S10ーE_6,S10ーproteinAーE_7,S10ーE_7)が得られた。このうち,S10ーE_6 S10ーE_7のfusion蛋白を用いて患者血清中のE_6,E_7に対する抗体価の測定系を開発した。即ちmicrotiter platesにS10ーE_6,S10ーE_7のfusion蛋白を一中夜反応させた後,患者血清を3時間反応させた。その後,biotin化ヒツジ抗ヒト血清を反応させ,streptoーaridinーalkaline phosphatuseを反応させ,発色剤にて呈色させ,そのODを測定した。カットオフ値をmean+3SDとしたところ,38名の健常婦人は抗E_6,抗E_7抗体両者供に全例陰性であった。26名の子宮頸部前癌病変を持つ患者では抗E_6抗体,抗E_7抗体陽性者は昭に5(19%)名,2(8%)名であり,子宮頸部浸潤癌患者は順に8(27%)名,10(33%)名であった。また,O.D.の平均値は子宮頸癌患者では前癌病変患者より高値を示した。今回の実験結果より,HPD16E_6/E_7蛋白に対する抗体は子宮頸癌患者に高頻度に出現し,これを測定することにより,実地臨床の場で血清腫瘍マ-カ-として利用しうる可能性を示した。今後カットオフ値の問題や,さらにE_6/E_7蛋白の純化に努めると同時に,E_6/E_7蛋白自体も臨床的に利用できる可能性についても検討すべきと考えられる。症例数を増やし,臨床経過と抗体価を追跡調査することも必要である。
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Research Products
(1 results)