1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670747
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 新吾 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40209945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和気 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
今村 利朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10221095)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60214392)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / 絨毛癌 / 微小核融合 / cDNAライブラ- / 染色体 |
Research Abstract |
絨毛癌化における癌抑制遺伝子群の局在する染色体を検索する目的で、絨毛癌細胞株CC1に対して正常ヒト染色体単一移入マウスA9細胞ライブラリ-より1,2,6,7,9、11番染色体を含むクロ-ンを選択し微小核融合を行った。それぞれの融合細胞について1)ヌ-ドマウス上での造腫瘍性2)足場非依存性増殖3)腫瘍増殖速度4)細胞倍加時間5)血清要求性6)細胞飽和密度を比較検討した。その結果、1、2、6、9、11番染色体単一移入細胞クロ-ンでは親細胞CC1との間でヌ-ドマウス上での造腫瘍性、足場非依存性増殖、細胞倍加時間においては有意差は認められなかった。しかし、7番染色体単一移入細胞クロ-ンではCC1と比較して腫瘍形成率、足場非依存性増殖は著明に低下し、細胞倍加時間も著明に延長した。一方、血清要求性、細胞飽和密度はCC1と各種微小核融合細胞クロ-ンとの間では有意差は認められなかった。以上の結果より正常ヒト7番染色体の単一移入によりCC1の造腫瘍性、足場非依存性増殖、細胞増殖速度を抑制することが明らかとなった。このことから、正常ヒト7番染色体上に絨毛癌の抑制に関与する優性な遺伝子群の存在することが推測された。次に、ヒト絨毛癌細胞の造腫瘍性抑制にかかわる遺伝子群をクロ-ニングする目的で、正常ヒト7番染色体単一移入マウスA9細胞とA9親細胞間でのmRNAサブトラクションを行い正常ヒト7番染色体に発現を由来したcDNAライブラリ-を現在作成した。 平成3年度はこのcDNAライブラリ-をCC1細胞にトランスフェクションし、正常ヒト7番染色体を移入した際に観察された形態変化(Flat)と同様な変化を生じた細胞をクロ-ニングし、同細胞とCC1親細胞間でmRNAサブトラクションを再度行い絨毛癌抑制遺伝子のクロ-ニングを行ない、同時に絨毛癌化に伴う細胞骨格構築の変化についても検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sakai,K.,Wake,N.,Fujino,T.et al: "MTX resistant mechanisms in human choriocarcinoma cells." Gynecologic Oncology. 34. 7-11 (1989)
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[Publications] Wake,N.,Yamada,H.,Fujita,H.et al: "Isolation of clones resistant to 6ーthioguanine and G418 from the HHUA endometrial carcinoma cells and their application to cell hybridization." Cancer Genetics and Cytogenetics. 49. 117-123 (1990)
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[Publications] Yamada.,H.wake,N.,Fujimoto,S.et al: "Multiple chromosomes carrying tumor suppressor activity for a uterine endometrial carcinoma cell line identified by microcellーmediated chromosome transfer." Oncogene. 5. 1141-1147 (1990)
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[Publications] 和気 徳夫: "胞状奇胎からの絨毛癌化" オンコロジア. 24. 31-39 (1991)
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[Publications] 宮本 新吾,佐々木 雅弘,西田 眞,和気 徳夫: "絨毛癌化とその分子機構" The Human cell in press.(1991)
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[Publications] 宮本 新吾,西田 眞,和気 徳夫: "Dr Sugawaraらのヒト正常1番染色体に局在する細胞老化制御遺伝子について." オンコロジア in press.(1991)