1990 Fiscal Year Annual Research Report
超未熟児・IUGRの臓器別未熟性の基礎的診断と胎外適応能の成熟促進の治療法の開発
Project/Area Number |
02670753
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
島本 郁子 奈良県立医科大学, 助教授 (90075094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯岡 秀晃 奈良県立医科大学, 助手 (10183154)
斎藤 滋 奈良県立医科大学, 講師 (30175351)
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Keywords | IUGR / 超未熟児 / 胎児免疫 / HbFスイッチング / 胎児腸管機能 / 胎児腎機能 |
Research Abstract |
1)胎児・新生児小腸・腎のbruch borderを用いて急速膜濾過法にて糖、アミノ酸、無機塩類などの吸収・再吸能を検討した。糖、無機塩類の腸管吸収能、腎の再吸能は在胎16週頃より具わり24週に発達するが、アミノ酸は遅れて在胎32週頃に完成する。デキサメサゾン投与により小腸上皮、腎細尿管上皮膜のアルカリフォスファタ-ゼ、γーGTP活性が上昇し機能を促進しうると考えられる。 2)妊娠各週の臍帯血および新生児血を採取し、VK依存性の凝固因子(第II,VII,IX,X因子,α_2ーp1)、胎児性Hbのスイッチングおよび2,3ーDPGを測定した結果、早産超未熟児・IUGRの胎外適応能は2〜3週間の遅延が認められた。 3)胎児・新生児期の免疫能・非特異的免疫(Mφ好中球、NK細胞、LAK 細胞、補体)および、特異的免疫はT細胞(helper T.Suppressor T,Suppressor inducer T)、B細胞(lgG,lgM 産生)、リンフォカイン(ILー1,ILー2,ILー6, IFNーγ,BCDFγ,BCDFμ)について検討し、超未熟児・IUGRの胎外適応能を診断した。MHC認識能、LAK活性以外のすべての免疫能は超未熟児は未発達であり、またIUGR児には遅延が認められた。
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[Publications] 森山 郁子(島本 郁子): "胎児・早産新生児の栄養" 日本新生児学会雑誌. 26. 838-849 (1990)
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[Publications] Mcriyama Ikuko(Shimamoto Ikuko): "Current state of premature birth care in Japan" International J of FetoーMaternal Medicine. 3. 63-73 (1990)
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[Publications] Shigeru Saito: "Production of ILー6(BSFー2/IFNβ2)by mononuclear cells in premature and term infant" J.of Reproductive Immunology. 17. 17-26 (1990)
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[Publications] Shigeru Saito: "Identification of HTLVー1 Sequence in Cord Blood Mononuclear Cells of Neonates Born to HTLVー1 Antigen/AntibodyーPositive Mother by Polymerase Chain Reaction" Jpn.J.Cancer Res.81. 890-895 (1990)
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[Publications] 飯岡 秀晃: "胎盤循環の維持機講ー胎盤繊毛上皮刷子縁膜の血小板凝集阻止活性" 日本産科婦人科学会雑誌. 42. 1525-1529 (1990)
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[Publications] 森山 郁子(島本 郁子): "胎児発育遅延と胎児仮死" 産婦人科治療. 61. 42-45 (1990)
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[Publications] 高木 繁夫,須川 佶,一條 元彦,水野 正彦 編,森山 郁子(分担): "胎盤ー基礎と臨床" 南江堂, 416 (1991)
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[Publications] 日野原 重明,阿部 正和 監修,森山 郁子(分担): "1990.今日の治療指針" 医学書院, (1990)