1991 Fiscal Year Annual Research Report
超未熟児・IUGRの臓器別未熟性の基礎的診断と胎外適応能の成熟促進の治療法の開発
Project/Area Number |
02670753
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
島本 郁子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90075094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯岡 秀晃 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10183154)
斎藤 滋 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30175351)
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Keywords | IUGR / 超未熟児 / 胎児免疫 / HbFスイッチング / 胎児腸管機能 / 胎児賢機能 |
Research Abstract |
早産未熟児・IUGR児自身の抗体産生能を明らかにするためにin vitro系を用いた。(1)PWMおよびSAC刺激時の抗体産生能をin vitro系で測定すると、IgG、IgMとも正期産胎児においては低値であり、これには胎児T細胞に抗体産生を抑制するfactorをもつと考えられる。(2)抗体産生にはB細胞の活性化、増殖、分化を誘導する様々なサイトカインが関与するが、これらについて正期産新生児を対象にIUGR児を検討した。(3)BCGFは胎児期は高値であるが、次第に減少し出生時には成人値に近づく。この点はIUGRでも同様であった。(4)胎児期のILー1αおよびILー1β産生能は低値であるが、PROM児では産生能が亢進した。これはIUGRにおいても同様であった。(5)B cellの増殖に働くILー2産生能は早産児ほど高値であるが、IUGR児では低下する傾向がみられた。(6)B cellの分化に働くBCDFμの胎児期の産生能は成人と差を認めないが、BCDFαの産生能は有意に低下し、IUGR児はさらに一層の低値を示した。(7)IFNーαの産生能は妊娠初期は低く36週以後に成人値レベルに達するがしかしIUGRでは著明に低い傾向を認めた。(8)ILー6の産生能は胎児期は成人に比べ2劣っているが、PROMでは上昇がみられ、一方IUGR児では明らかに低下を示した。 以上の成績よりIUGR児の管理において感染対策は極めて重要でありますが、抗体産生能に期待を持つことは出来ず、子宮内感染に対しては早期分娩、早期受動免疫の付与、交換輸血などが適用されるべきである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Shigeru Saito 他5名: "Detection of ILー6 in human milk and its involvement in IgA production" Journal of Reproductive Immunology. 20. 267-276 (1991)
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[Publications] Hideaki Iioka 他6名: "Pharmacokinetics of Vitamin K in Mothers and Children in the Perinatal Period:Transplacental Transport of Vitamin K_2(MKー4)" AsiaーOceania J.Obstet.Gynaecol. 17. 97-100 (1991)
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[Publications] Hideaki Iioka 他6名: "Changes in Plasma Levels of Lipid Peroxide and Vitamin E during Pregnancy" AsiaーOceania J.Obstet.Gynaecol. 17. 357-361 (1991)
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[Publications] Hiroyasu Hisanaga 他5名: "The Mechanism of Human Placental Urea Transport:A Study Using Placental Brush Border(Microvillous)Membrane Vesicles" AsiaーOceania J.Obstet.Gynaecol. 17. 67-72 (1991)
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[Publications] 飯岡 秀晃 他6名: "未熟児新生児の血小板機能に関する研究" 日本新生児血液学会誌. 1. 35-42 (1991)
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[Publications] 森山 郁子: "母乳のメリット・デメリット" 日本産科婦人科学会雑誌. 43. 203-206 (1991)
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[Publications] I.S.Moriyama 他7名: "Placenta:Basic Research for Clinical Application" S.Karger,Basel, 92-104 (1991)
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[Publications] 森山 郁子: "TODAY'S THERAPY 1992 今日の治療指針 私はこう治療している" 医学書院, 1262 (1992)