1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670770
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
沢木 修二 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持松 いづみ 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10166332)
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Keywords | 頭頚部癌 / 化学療法 / 免疫療法 / chemoーLAK / 免疫抑制物質 / サイトカイン / 併用療法 |
Research Abstract |
近年,頭頚部癌では積極的にcisplatinを中心とした化学療法が施行されている。一方担癌患者は免疫能が低下していることが知られておりわれわれは種々の免疫療法剤を臨床の場で試みてきた。しかしその抗腫瘍効果にはおのずと限界が生じてきている。今回,われわれは化学療法剤の抗腫瘍性と宿主の免疫能に及ぼす影響を検討し,免疫療法剤との併用における基礎的実験を試みた。 未治療の頭頚部進行癌患者10例に,cisplatin, 5ーfluorouracil 併用化学療法を施行し,lymphokine activated killer(LAK)活性を測定したその結果,治療1週後では低下したLAK活性が2週後には回復傾向を示し,3週後で治療前の値を上回る症例も見られた。このような症例はchemoーLAK が誘導されたものではないかと考えられ,誘導されたLAK活性にさらに免疫療法剤を併用しその相乗効果が期待される。 次に担癌患者における免疫能低下の観点から,当科で樹立した頭頚部癌培養細胞の上清を検討した。これらの上清中にLAK細胞の増殖を強く抑制する物質を見出だした。この物質は56℃60分の熱処理および酸・アルカリの処理で不活性化した。またLAK細胞の細胞障害性は抑制しなかった。分子量は10000以下と推測された。さらに腫瘍細胞を化学療法剤で処理するとこの物質の分泌は減少した。この結果よりadoptive immunotherapyの際に化学療法を併用することにより,その効果を増強することができるのではないかと考えられた。 さらに抗癌剤処理後の頭頚部癌培養細胞に対するLAK細胞の自己腫瘍細胞傷害活性を検討した。標的細胞を抗癌剤で処理すると標的細胞のLAK細胞に対する感受性が処理しない時に比較して有意に上昇することが認められた。この場合抗癌剤で処理した腫瘍細胞の作用によりLAK細胞からINF α,TNF α,ILーIβが放出されることが確認された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 澤木 修二: "頭頚部癌におけるCDDP.5ーFU療法によるLAKの変動" BIOTHERAPY. 4(10). 1689-1692 (1990)
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[Publications] 澤木 修二: "頭頚部癌に対するAdoptive Immunotherapyと化学療法の併用療法 ーその基礎的研究ー" BIOTHERAPY. 4(7). 1285-1289 (1990)
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[Publications] 佃 守: "頭頚部癌におけるAdoptive immunotherapyに供するエフェクタ-細胞の解析" BIOTHERAPY. 4(4). 933-940 (1990)
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[Publications] 佃 守: "LAK,TIL細胞に対するMHC抗原発現 自己腫瘍細胞の感受性" BIOTHERAPY. 4(6). 1167-1175 (1990)
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[Publications] 持松 いづみ: "頭頚部癌培養細胞上清中の免疫抑制 物質の検討" BIOTHERARY. 4(10). 1681-1688 (1990)