1990 Fiscal Year Annual Research Report
声帯癌に対するレ-ザ-手術におけるモニタシステムの開発
Project/Area Number |
02670774
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 宏之 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40051510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒向 司 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20196140)
|
Keywords | 声帯癌 / 喉頭バイブレ-タ- / レ-ザ-手術 / 粘膜波動 |
Research Abstract |
1)喉頭バイブレ-タ-の改良 従来使用していた喉頭バイブレ-タ-の周波数を可変式とした。実験的に90〜100Hzの間の周波数においてもっとも良好な波動が得られることが理解された。 2)基礎実験の結果 正常な声帯粘膜(成犬)上に,中央にて水平位に2点のマ-キングをほどこし,波動をおこさせた。その結果2点間の距離に規則的な変動がみられた。すなわち規則的に近づいたり遠のいたりする。しかしこの部に人工的な硬化を与えると全体の振動はあるが2点間の距離は常に一定であることがわかった。すなわち粘膜波動がなく,粘膜の可撓性が失われていることの反映である。 3)臨床観察の結果 観察すべき2点は血管自体,あるいはその屈曲点を任意に選んだ。ポリ-プ様声帯のように粘膜が過度にやわらかい場合,その2点間の距離の変動は極めて大きく,表面が硬くなればなる程その変動は小さくなっていった。癌の浸潤のある場合は不動である。肉眼的所見で癌を疑った声帯でも波動の生じたものは,あとで病理学的に悪性が否定された。逆に癌を疑わなかった症例で波動のなかったものに癌がみとめられた。 実際にレ-ザ-を応用する場合,バイブレ-タ-で波動を生ぜしめ,テレビモニタにて観察。二点をいろいろなくみあわせでえらび,その距離の変動を検討した。そして変動のないところは充分にレ-ザ-で蒸散させる方法をとった。研究発表のペ-パ-ではバイブレ-タ-が応用されている。 4)将来の展望:長期観察の結果と,術直后の手術辺縁の生検の結果をみて,この方法の妥当性を検討する。
|
-
[Publications] 福田 宏之: "レ-ザ-手術で治療されたT.声門癌の臨床的研究" 喉頭. 2. 71-73 (1990)
-
[Publications] 福田 宏之: "早期喉頭癌に対する機能外科" 慶応医学. 67. 691-696 (1990)
-
[Publications] 福田 宏之: "前交連におよぶ声門癌のレ-ザ-手術" JOHNS. 6. 109-112 (1990)