1991 Fiscal Year Annual Research Report
人眼及び動物眼のReal time,in vivoブドウ膜血流の測定
Project/Area Number |
02670780
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新家 真 東京大学, 医学部・(分), 助教授 (00092122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安宅 和代 東京大学, 医学部・(分), 助手 (40222616)
江口 秀一郎 東京大学, 医学部・(病), 講師 (30160352)
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Keywords | レ-ザ-スペックル法 / 虹彩血流 / 視神経乳頭血流 / カルシウム拮抗剤 / 交感神経遮断剤 / 炭酸脱水酵素阻害剤 |
Research Abstract |
今年度は,レ-ザ-スペックル法によるブドウ膜血流測定機を改良,後眼部にも応用可能とし,正常白色家兎眼で前眼部,後眼部について各種条件下で末稍血流速度の変化を測定した。 まず,前年度に引き続き,測定結果の安定性,再現性を検証した。後眼部での再現性は9.5%であった。 ついで,前眼部については白色家兎眼で頚動脈結紮の影響,カルシウム拮抗剤の作用を検討した。測定側頚動脈の結紮では3%,両側の結紮で7%の末稍血流速度低下が示された。このとき,全身の血圧は10%前後増加した。従来の報告では測定側結紮で30%前後の血流量低下が示されており,本装置で測定した血流速度の挙動と一致しない。ここから,血流速度が血流量に比較してより高度に自己調節されていることが示唆された。カルシウム拮抗剤の動脈内投与でも,30%以上の全身の血圧低下に対し,局所血流速度は有意に変化しなかった。 一方,後眼部については,結果の解釈上網膜と脈絡膜の信号の分離が問題となるため,主として脈絡膜循環に影響されると考えられる視神経乳頭面を対象とした。正常白色家兎眼で,炭酸脱水酵素阻害剤静注,アドレナリン製剤静注,交感神経β遮断剤点眼前後の各々で血流速度の変化を検討した。各条件とも30%〜15%の範囲で血流速度の増加が検出された。同時に測定した眼圧は相応して降下しており,眼圧の降下が眼内の潅流圧の上昇をもたらし,血流速度を増加させたと考えられた。(日本眼科学会総会,1992年,横浜,発表予定)。
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