1990 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
02670781
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
澤 充 東京大学, 医学部, 助教授 (40010475)
|
|---|
| Keywords | レ-ザ-フレアセルメ-タ- / 家兎 / 前眼部炎症 / 定量的測定 / 非侵襲 / プロスタグランディンF_2 / エンドトキシン / フルオロフォトメトリ- |
|---|
| Research Abstract |
本研究においてはレ-ザ-フレア-セルメ-タ-、ダッチラビットをもちい(1)基礎研究としてプロスタグランディンF2(PGF2α,15ーproーPGF 2α,PGF 2β)点眼による房水蛋白濃度変化、(2)エンドトキシン静脈注射による房水蛋白濃度測定および、FITC標識アルブミン静注によるフルオロフォトメトリ-を同時におこない以下の結果を得た。
(1)PG点眼実験。各PGs濃度0.05〜0.5μmを点眼し12時間経時的に測定した。点眼後1〜2間後に房水蛋白濃度は150〜170mg/dlに達し、その後12時間の経過で他眼(対照)の蛋白濃度50mg/dlに減少しPGF2は容量依存性の房水蛋白濃度の増加を生じることが判明した。
(2)エンドトキシン誘発ぶどう膜炎(Endotoxin Induced Uveitis:EIU)。エンドトキシン(S.Typhimurum,E.coli)を0.25,0.5,2.5μg/ml/kg静注。静注後3〜6時間で房水蛋白濃度はピ-クに達しその後の濃度は0.25μgの場合500(E.Coli),1500(Salmonella)mg/dl,0.5μgで6000,5500であった。同時におこなったフルオロフォトメトリ-で房水フルオレセイン濃度と房水蛋白濃度との間に有意の相関(P<0.001)が得られた。その後房水蛋白は24時間で投与前値に回復した。経時的濃度変化カ-ブから得られる房水蛋白濃度積分値には容量依存性が得られ、この変化はSalmonellaではE.coliの約2倍であった。
以上よりPGF 2α,Endotoxinにより容量依存性の房水蛋白濃度の増加を生じ、レ-ザ-フレアセルメ-タ-は非侵襲的にこの変化を測定できることから本研究により前眼部炎症モデルが確立し得た。現在、抗炎症剤の薬効評価について継続研究中である。
|
-
[Publications] 加藤 聡,大鹿 哲郎,澤 充 他: "糖尿病と前房蛋白" 臨床眼科. 44. 1288-1289 (1990)
-
[Publications] Sawa,M: "Clinical application of laser flareーcell meter" Jpn J Ophthalmol. 34. 346-363 (1990)
-
[Publications] 澤 充: "レ-ザ-フレア-セルメ-タ-" 眼科. 32. 1019-1028 (1990)
-
[Publications] 鄭 連山,宋 基栄,澤 充,増田 寛次郎: "眼内レンズ挿入術後の血液房水柵機能の定量分析" 臨床眼科. 44. 1997-2001 (1990)
-
[Publications] Inamoch,K,Takahashi T,& Sawa M: "Endotoxin Induced Uveitis" Proceeding for XXVI International Congress of Ophthalmology.
-
[Publications] 高橋 貞,澤 充: "家兎前房蛋白濃度と眼圧の日内変動(レ-ザ-フレアセルメ-タ-をもちいた検討)" 日眼 発表予定.
-
[Publications] 澤 充: "眼科Mook 42 レ-ザ-フレア・セル測定" 清水 昊幸,増田 寛次郎編 金原出版, 217 (1990)
