1991 Fiscal Year Annual Research Report
房水循環動態の薬理学的研究:葡萄膜強膜流出の生理学的な意義
Project/Area Number |
02670794
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
長瀧 重智 琉球大学, 医学部, 教授 (30010276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友寄 一 琉球大学, 医学部, 助手 (60207636)
照屋 武 琉球大学, 医学部, 助手 (20227531)
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Keywords | 葡萄膜強膜流出 / 家兎眼 / 房水流量 / フルオレセインデキストラン |
Research Abstract |
家兎芽における葡萄膜強膜流出量の測定 分子量7万のフルオレセインデキストランをトレ-サ-に用いて家兎眼の葡萄膜強膜流出量を測定した。家兎を塩酸ケタミン・キシラジンで麻酔後、角膜周辺部を穿刺して前房水を採取し、その切開創から5x10^<-4>モル濃度のフルオレセインデキストランを満たした注射筒にポリエチレンチュ-ブで連結した23ゲ-ジ注射針を前房に挿入した。注射筒の液面の前房からの高さを20cmに調整し、前房を15分間潅流した。潅流終了後に致死量のペントバルビタ-ル投与で屠殺し眼球を摘出した。摘出眼の結膜、上強膜組織をできるかぎり除去して輪部から角膜を切除し、前房の残余フルオレセインデキストランを燐酸緩衝液(pH7.4)で十分に洗浄した。小シャ-レ内で眼球を輪部から3mm後方で2つに分割し、ついで虹彩と前部葡萄膜、前部強膜、後部強膜、および残余組織液(硝子体と分割中に得られた組織液)に細分した。各組織に5mlの燐酸緩衝液を加えてホモジナイズ後、15分間遠心分離して得られた上清を10倍に希釈して、フルオレセインデキストラン濃度を測定した。測定した濃度から各組織に含まれていたフルオレセインデキストラン量を算出し、その値を潅流液濃度および潅流時間で割って葡萄膜強膜流出量を求めた。家兎10羽で測定した結果、葡萄膜強膜流出量の平均値は0.94+0.46μL/minであった。この値は家兎眼の全体の房水流量(3.5μL/min)の4分の1を占め、葡萄膜強膜流出の生理的意義は家兎眼でも無視できないことが裏付けられた。
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[Publications] 比嘉 敏明: "ピロカルピンの点眼がプロスタグランディンF2αの家兎眼圧下降作用に及ぼす影響" 日本眼科学会雑誌.
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[Publications] 長瀧 重智: "家兎眼の葡萄膜強膜流出" 琉球医学会誌.
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[Publications] 知念 あけみ: "家兎血清のアトロピンエステラ-ゼ活性" 琉球医学会誌.