1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670835
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西川 殷維 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (10034191)
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Keywords | (Na^++K^+)ーATPase / 大脳皮質 / シナプス膜 / オピオイド / 鉄イオン / 銅イオン / 脱分極 |
Research Abstract |
平成3年度の申請研究では膜(Na^++K^+)ーATPase活性に対するopioidsの作用について検討し以下の結果を得た。1)medium中にFe^<2+>(10^<-6>〜10^<-5>M)が存在する場合、ミュ-agonistであるMor(10^<-6>〜10^<-4>M)、morphiceptine(10^<-4>、10^<-5>M)およびdynorphine A 3ー8はsynaptic membrane(Na^++K^+)ーATPaseを活性化したが、カッパーagonistであるdynorphineー(1ー8)ーoctapeptideではこのような活性化作用は認められなかった。これらのミュ-opioidsは、しかし、FeCl_2にCuCl_2を加えた場合またはCuCl_2,CuCl,ZnCl_2,AlCl_3,BaCl_2,CdCl_2,CoCl_2,LaCl_2,PbCl_2,MnCl_2,HgCl,HgCl_2,NiCl_2,PtCl_2,RbCl,AgNO_3,V_2O_5により抑制された(Na^++K^+)ーATPase活性に対しては無影響であった。2)ミュ-opioidsはpーchloromercuribenzoate,Nーethylmaleimide5,5'ーdithiobis(2ーnitrobenzoic acid)による抑制に対しても本酵素を活性化しなかった。3)膜をcopper binding peptideで処理した場合は、膜結合性の銅は脱離し、より低濃度のFe^<2+>により本酵素活性が抑制され、この抑制がより低濃度のミュ-agonistsが活性化することが認められた。これらの結果に加え平成2年度の申請研究結果およびわれわれの以前の結果から、ミュ-opioid agonistsが膜の脱分極を抑制する機序として、Fe^<2+>の作用と拮抗してsynaptic membrane(Na^++K^+)ーATPase活性を増加させることによる可能性を示した。併せて、Cu^<2+>が共存する場合はこのopioidsの活性化作用が減弱することを示した。
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