1990 Fiscal Year Annual Research Report
EDDPOを用いる新しい硬組織時刻描記法に関する研究
Project/Area Number |
02670841
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
増原 泰三 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (00060400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影向 範昭 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (20095277)
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Keywords | EDDPO / 硬組織時刻描記剤 / 硬組織 / マウス / ラット / 家兎 |
Research Abstract |
ラットに段階用量のEDDPOを投与し、ヘマトキシリン(H)染色性のEDDPO線を観察した成績は以前に行った実験成績と同様であったので割愛するが、適切な投与量はリン(P)として10mg P/kgで、それ以上の用量ではH染色線に続いてH不染層が出現し、時刻描記には不適当であることが明らかになった。次に、家兎で行った実験成績について述べる。2kg前後のN.W.系雄性家兎を皮下注射と静脈注射に分け、各群にEDDPOを体重kgあたりP量として10,1,2,10+10mg Tc.,4,6,8mgの順番で3日間間隔で投与し、脱灰パラフィン包埋の切歯象牙質、頭蓋骨、脛骨骨幹部の横断および脛骨の縦断切片をH染色し、H染色性のEDDPO線の観察を行った。その結果、象牙質については1mg P/kg投与では両群とも±程度、2mg P/kgで+となり、静脈注射群で判然とした。4〜10mg P/kg投与では両群とも鮮明な線が、家兎でみられる日周期性のH染色層とはっきり区別して観察された。なお、本実験で4番目に10gm P/kgのEDDPOとテトラサイクリン(Tc.)の混合液を投与したが、結果はEDDPO線は鮮明であり、同歯の反対側の非脱灰標本のTc.蛍光線も明瞭に観察された。すなわち、時刻描記線が脱灰と非脱灰切片で同時に観察できることを示した。この混合液投与法は有用な描記法になると思われる。象牙質以外の試料では、脛骨縦断切片でH線が観察されなかったが、他の試料ではすベて石灰化進行部位に明瞭な線として認められた。マウスでは8mg P/kg投与ではH線は現れず、20mg P/kgでは明瞭で、ラットにみられた不染層の出現もなかった。以上の成績より、EDDPOに対する動物の感受性はマウス、ラット、家兎の順に高くなり、時刻描記投与量としての適量は家兎で4mg P/kg、ラットで10mg P/kg、マウスで20mg P/kgと考えられる。なお、これらの投与量は毒性量ではないことを検討し確認した。本研究では近いうちに論文にまとめ投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)