1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄疾患または歯周疾患に起因する顎筋及び頚筋群の異常興奮性あるいは疼痛の解析
Project/Area Number |
02670850
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
砂川 光宏 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30179288)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 英明 東京医科歯科大学, 歯科部, 教授 (00114760)
|
Keywords | 歯髄疾患 / 歯周疾患 / 筋筋膜疼痛性機能障害性症候群 / 胸鎖乳突筋 / 下歯槽神経 / 眼窩下神経 / 頚髄ニュ-ロン |
Research Abstract |
本研究では、ヒトの頭頚部筋群の筋電図の解析とネコを実験動物として用いた電気生理学的実験の解析結果とを有機的に結合させ、歯髄疾患あるいは歯周疾患に履患している患者に認められる筋筋膜疼痛性機能障害性症候群様症状の生理学的な神経機構の解明を行うことを目的としている。これまでに明かになった事項は以下の通りである。 1. 臨床実験:須田は顎口啌機能に異常の見られない健全者の顎筋及び頚筋群の顎運動時の筋電図の計測を行い、種々の顎運動時、特にクレンチング時に胸鎖乳突筋に強い興奮性を認められることを確認した。このことから、歯髄疾患あるいは歯周疾患に履患している患者では、咬合関係の異常性に起因する胸鎖乳突筋に異常な興奮が生じることが推察された。 2. 動物実験:砂川はネコを用いた生理学的実験から、下歯槽神経または眼窩下神経の電気的刺激に応答する頚髄ニュ-ロンを見いだした。それらのいくつかのものにおいては、末梢電気刺激に応答するニュ-ロンを記録した微小電極を用いた微小脊髄刺激により頚部の筋に局所的な収縮が生じることを見いだした。また、いくつかのニュ-ロンは、犬歯の軽いタッピングという機械的刺激に対しても応答性を示した。これらの事項より、頚筋群の活動性は三叉神経系の入力により変調を来すことが示唆された。
|
Research Products
(2 results)