1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670857
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
川崎 孝一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (90013961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足達 美弥 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (90212521)
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Keywords | 歯根嚢胞 / 発生機序 / マラッセ上皮遺残 / 病理組織学的研究 / 機械的・化学的・細菌学的刺激 |
Research Abstract |
歯根嚢胞の発生機序を解明する目的で3頭のカニクイザルの麻酔抜髄例の60歯65根管を用いて根尖歯周組織にリ-マ-の機械的刺激、根管充填剤(材)や死腔による化学的刺激、唾液による細菌的刺激を加えて病理組織学的に光顕レベルで検索を行った。 すなわち、抜髄後の根管拡大形成は、1)適正、2)根管壁に歯髄片を残す不足拡大、3)根尖をやや過剰の拡大する3つの実験群で行った。根管充填は酸化亜鉛ユ-ジノ-ル系シ-ラ-のCANALS(昭和薬品化工)とGutta percha pointとの併用を次の条件下で行った。(1)生理学的根尖まで、(2)2〜3mmオ-バ-フィリング、(3)2〜3mmアンダ-フィリング、(4)根管充填時に唾液による感染を意識的に施すなどからなり、術後7日、14日、1ケ月、2ケ月、3ケ月、6ケ月の病理組織所見を調べるべく、厚さ8μm前後の連続脱灰パラフィン切片を作製した。さらに、術後の経過をX線的にも調べた。根管充填後は窩洞に対して接着レジンによる充填を施した。 一方、対照群は、生理学的根尖孔までの根管拡大と根管充填を施したものとして、さらに未処置歯でマラッセ遣残上皮の根尖分布状態を併せて検索し参考資料とした。X線学的には、唾液による細菌感染例で根尖病変の発現がみられ、光顕的にも嚢胞化様所見を認めている。 本実験に用いる歯はできるだけ歯根尖の完成直後でマラッセ遣残上皮の活性の高い年齢層を選んだが、推定年齢のため確実ではなく当初の計画より成績の総括が遅れている。本実験に用いたカニクイザルがやや高年齢だったため、現在まで組織学的に歯根嚢胞の発生機序を明らかにするに至っていない。そのため新たに若年齢のサルを用いて再度検索中である。
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