1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670863
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
原賀 義昭 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10105702)
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Keywords | 内毒素 / ミトコンドリア / Bacteroides gingivalis |
Research Abstract |
肝ミトコンドリアはSchneiderらの変法により、また、心筋ミトコンドリアはポリトロンホモジナイザ-とアルカリプロテア-ゼにて処理した後、遠心操作により調製した。Bacteroides gingivalis(B.g)のLPSはB.g ATCC 33277をBHI液体培地にて嫌気培養を行ったのち、Westphalのphenolーwater抽出法に従い抽出し、Tauberらの方法により精製を行った。対象としてDIFCO社製E.coli LPS 0111:B4を用いた。 得られた肝、心筋ミトコンドリアはクラ-ク型酸素電極を用い酸素消費量を測定し、その際、B.gLPSとE.coli LPSをそれぞれミトコンドリアタンパク当たり5,10,25,50,100μgとなるようミトコンドリア浮遊液に加えた。つづいて、呼吸基質やADPをミトコンドリア浮遊液に経時的に添加し、Chanceらが分類したstate1,2,3,4を自動平衡記録計に記録した。これらの記録よりミトコンドリアの呼吸調節能を表すADP/0比と呼吸調節率(RCR)を算出した。 E.coli LPSを肝ミトコンドリアに作用させた場合、10μg/mgの濃度でコントロ-ルに比し30%程度ADP/0比の低下が見られ、25μg以上の濃度では酸素消費量が抑制された状態(state4)が明瞭には観察されなかった。心筋ミトコンドリアに及ぼすE.coli LPSの影響については10μgでは呼吸調節能にほとんど影響は認められず、25μgでもADP/0比の低下は20%程度であった。一方、B.g LPSを肝および心筋ミトコンドリアに作用させると、50μgの濃度でもADP/0比の大きな低下は認められなかった。また、RCRはいずれの実験例においても、ADP/0比の低下とともに減少する傾向にあり、我々の実験ではB.g LPSはE.coli LPSに比較し比較的高濃度でないと肝、心筋ミトコンドリアの呼吸調節能に影響を及ぼさないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)