1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670864
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本間 久夫 東北大学, 歯学部, 教授 (90005017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 誠 東北大学, 歯学部, 助手 (70199503)
高田 雄京 東北大学, 歯学部, 助手 (10206766)
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Keywords | チタン合金 / パラジウム合金 / コバルト合金 / 生体材料 / 形状記憶効果 / X線回析 / 相変態 |
Research Abstract |
等原子量比付近のTiPd合金は、B2型母相からB19型マルテンサイト相に変態し、形状記憶効果を示すことが知られているが、その変態温度は最も低い場合でも300℃以上と高温である。そこで、変態温度の低下および機械的性質の改善を目的として、生体為害性の懸然からNiを全く含有しないTiPdーCo系生体用形状記憶合金の開発を試みた。 その結果、Tiー42.5m01%Pd合金のPdをCoで一部置換したTiPdーCo合金の変態温度は、Co濃度の増加と共に低下し、Tiー42.5mol%Pd合金に比べ非常に低い値を示した。Tiー31.5mol%Pdー11mol%Co合金の変態温度は50℃付近であり、Tiー42.5mol%Pd合金のPdを一部Coで置換すると変態温度が著しく低下することがわかった。また、Tiー37.5mol%Pdー5mol%Co合金では、100〜200℃で熱弾性型マルテンサイト変態を生じ、形状記憶効果を示した。TiPdーCo合金を900℃で熱処理すると、Tiー37.5mol%Pdー5mol%Co合金は軟化し、Tiー42.5mol%Pdの約1/2程度の硬さ(VHN250〜270)となり、CoーCr合金(Vitallium VHN 350)の鋳造体よりも軟化していることがわかった。これらの結果を基に、生体用形状合金に適する組成として、Tiー50mol%Pd合金のPdをCoで20mol%置換したTiー30mol%Pdー20mol%Co合金(VHN 220)を検討し、この組成の合金が室温で超弾性を示し、0℃から20℃付近で明瞭な形状記憶効果を示すことを見いだした。 これより、生体に適する変態温度と加工可能な硬さを有するTiPdーCo合金は、インプラント材、歯冠修復材、加工クラスプ、歯列矯正用ワイヤそして整形外科用材料などの用途を想定した生体用形状記憶合金として有望な素材であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)