1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670870
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
清野 和夫 岩手医科大学, 歯学部・歯科補綴学第二講座, 助教授 (90048546)
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Keywords | 上顎骨欠損 / 顎義歯 / 音声 / ディジタル信号処理 / 発音機能訓練 |
Research Abstract |
今回開発した発音機能訓練装置は、32ビット cpu unitをもつパ-ソナルコンピュ-タ、A/D変換ボ-ド、アナログトリガ-コントロ-ラ-、および外部記憶装置として40MBのハ-ドディスクから構成されている。音声波形の入力は、マイクロフォンで取り込んだ音声をテ-プレコ-ダ-に録音しながらアンプで増幅した後、A/D変換ボ-ドライン信号として入力した。A/D変換ボ-ドの分解能は12ビットで最大サンプリング周波数は50kHzであり日本語音声分析の条件を満たしている。入力用プログラムは、音声波形の観測、FFT、演算、セ-ブとロ-ドが可能な市販の信号処理ソフトウェア-を使用した。ディスプレイには音声波形、FFT1、FFT2の3つのウィンドウの同時表示が可能である。入力した音声波形をFFT演算し、パワ-対数として表示した。これから第1、第2フォルマント周波数を求め発音機能訓練のための標準パタ-ンを作成した。今回作成した標準パタ-ンは日本語単音節の中から母音/ア/、/イ/、/ウ/、/エ/、/オ/とした。被験者は健康な成人20名とし、サンプリング周波数は10KHz、FFT演算は512サンプル長(51.2msec)にて行った。本装置の使用法は、まずハ-ドディスクにセ-ブしておいた標準パタ-ンをFFT1のウィンドウに表示する。次ぎに患者の音声を同様に処理してFFT2のウィンドウに表示する。患者は標準パタ-ンのフォルマント周波数やグラフの形状を目標にしながら発音機能訓練を行う。今回は対数スペクトラムからフォルマント周波数を求めたが、今後はケプストラム処理等の周波数分析方法の改善、音声の類似度を評価するためのプログラム作成が要求される。また、予定した被験者の手術後の治癒が顎義歯装着までに至っていないこともあり、今後も研究を継続する予定である。
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