1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670880
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
後藤 隆泰 朝日大学, 歯学部, 講師 (30121320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助手 (60076057)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 助手 (00152877)
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40116067)
森脇 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (90028738)
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Keywords | 乾燥強度 / 臨界応力拡大係数 / 弾性定数 / 破壊エネルギ- / ワイブルプロット / 金属焼付用陶材 |
Research Abstract |
前年度,金属焼付用陶材の4点曲げ強さの歪速度依存性を37℃の蒸留水中で測定し,疲労パラメ-タを求めて寿命の予測を試みた結果を報告した。この結果は金属焼付用陶材が水中でSubcritical crack growthを起こすことを示すものであった。そこで,疲労破壊のメカニズムに及ぼす水の影響を調べるために,Arガス(乾燥雰囲気)中での4点曲げ強さをクロスヘッドスピ-ド0.005mm/minで測定した。また,臨界応力拡大係数をSEPB法で,破壊エネルギ-の算出に必要な弾性定数を直方体共振法で測定し,次のような結果から金属焼付用陶材も水によって疲労が進行するという結論を得た。 1)Arガス中での4点曲げ強さの平均値は蒸留水中よりも約23%増加していた。これらをワイブルプロットした結果,Arガス中の方がワイブル係数は小さく,強度のばらつきが大きいことを示していた。また,蒸留水中では強度の大きいものほど,破壊に至るまでにクラック成長を起こしていることを示していた。そこで,臨界応力拡大係数を使って,蒸留水中とArガス中での破壊直前のクラックの長さの比を求めると,1.3〜2.1という値を得た。すなわち,Arガス中ではクラックの成長はほとんど起こらないと考えられるので,蒸留水中での強度の低下は試験中に起きたクラック成長によるものである。 2)ヤング率と臨界応力拡大係数とから6600 erg/cm^2という破壊エネルギ-が得られた。これは破壊に対する抵抗の尺度と見なされる。アルミナと比較すると1/9,窒素ガス中で測定されたソ-ダ石灰ガラスと比較しても少し小さい。ここでの値は臨界応力拡大係数を使って求めてあるので限界破壊エネルギ-と考えられるため,水が豊富に存在する環境下ではかなり小さくなると考えられる。
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Research Products
(1 results)