Research Abstract |
水溶性骨形成因子を得るため、Sー200Gelーfiltrationを行ない、分子量40,000以上の画分を取り除き、分子量10,000^〜30,000の画分をクエン酸に溶解後水透析を行ない水溶性BMPを得た。このBMPと粉体状高純度金属(Ag,Al,Au,Be,Cd,Co,Cr,Cu,Fe,Ga,Ge,In,Ir,Mn,Mo,Ni,Pb,Pd,Pt,Sb,Sn,Ta,Ti,V,W,Zn,Zr)とを複合化し、各金属の骨形成に与える影響を調べた。その結果Au,Mo,Tiの移植では,骨形成は金属の存在下によって抑制が認められなかった。Cu,Fe,Sbの移植では骨形成は全く認められず、抑制効果が大であることが判明した。また、その他の金属で骨形成は認められるが、その形成量は減少していた。これらの金属のうち、Au,Pt,Ni,Tiについては、ラット胎児筋肉組織の培養系において[3H]ーthyamidine,[35S]ーsulfateの取り込みを調べ、それぞれDNA合成、GAG(glycosaminoglycan)の合成量を計測し、細胞毒性、軟骨誘導能を定量した。 DNA合成量についてはAu,Pt,Tiでは抑制は認められず、Niにおいては抑制効果が著しかった。GAGの合成に関してもDNA合成量と同様の結果を得た。また、in vivoの結果と、in vitroの結果を比較して、相関性が認められたが、Ptの結果に関しては、両者の結果が一致せず、未知の何らかの因子が存在するものと考えられる。以上の結果から、生体移植用金属を開発するには、AuーPt系合金が有望であると考えられ、第3元素として、Moの添加をすることが可能であると考えられた。またTiに関しては従来の結果同様、優秀な生体移植用材料であるとの結果が得られた。
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