1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯科X線撮影におけるデュアルエネルギ-イメ-ジング法の確立と臨床応用
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02670904
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大喜 雅文 長崎大学, 歯学部, 講師 (10160441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 雅浩 長崎大学, 歯学部, 助手 (40212956)
山田 美穂 長崎大学, 歯学部, 助手 (80200749)
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Keywords | デュアルエネルギ- / 口内法X線撮影 / デジタルラヂオグラフィ- / コンピュ-タ画像処理 / 骨塩量 |
Research Abstract |
従来のX線撮影系においては白色X線源が用いられ、被写体によるX線の減弱がエネルギ-について積分した形でX線フィルム上に記録されている。しかしながら、被写体通過後のX線エネルギ-分布の変化は被写体の組成についての情報を有しており、X線記録系として2枚のX線フィルムの間に適当なエネルギ-フィルタ-を入れたものを用いれば、一回のX線撮影で得られる2つのX線像からコンピュ-タ画像処理を用いて軟組織像と硬組織像の分離が可能となる。本研究はこの新しいX線映像法の確立を目指し、当該年度は、特に口内法X線撮影への適用について検討した。X線記録系として、2枚のコダックウルトラスピ-ドフィルムの間に銅またはスズのフィルタ-を挟んだものを使用し、撮影には通常の60kVpの歯科X線撮影装置を用いた。この撮影系において、入射X線のエネルギ-分布、エネルギ-フィルタ-の材質と厚み、画像分離のための画像処理アルゴリズムの理論的解析を行ない、また実験的にそれを検証した。この結果、エネルギ-フィルタ-としては厚さ100μmの銅板を用いることを最適とし、画像分離には非線形多項式近似が有効に利用できることを示した。本法により、口内法X線撮影において、従来のX線像に加え、骨等価画像が得られ、軟組織の重積による影響を除いた正確な顎骨骨塩量測定が可能となった。本法は従来の撮影系をそのまま利用し、患者への被曝線量を増すことなしに骨塩量等の定量的診断情報を加えることが出来る。当該年度は以上のように口内法X線撮影における本法の確立を行なったが、引き続き次年度ではその臨床応用についての検討を行ない、また他の歯科X線撮影系における最適化についても検討を加える予定である。
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Research Products
(1 results)