1990 Fiscal Year Annual Research Report
咬合低下,Hypermobilityに伴う家兎顎関節の病態変化
Project/Area Number |
02670906
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
武藤 寿孝 東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (00143298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨岡 敬子 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (10227613)
奥村 一彦 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (60194510)
道谷 弘之 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (20166052)
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Keywords | ラット顎関節 / 過運動(Hypermbility) / 組織学的変化 |
Research Abstract |
平成2年度の当初の計画調書では実験動物として咬合異常およびHypermobilityを家兎に与える予定であったが、しかし実際にやってみるとこの処置を長期にわたって与えることは困難であることが判明した。実験モデルは単純な操作でおこなえるものが再現性もあり良好と考えられたため、実験方法について再吟味した。その結果、実験動物およびその方法について修正せざるをえなかった。そこで実験動物としてラットを調用し上下切歯の切断でHypermobilityを与えることにした。この処置でラットは食物の摂取で上下の切歯咬合をするため下顎切歯を前方に移動するが、切歯の切断により前方位をさらざるをえなくなる。切歯切断は5ー7日に一度の割合で行ない、処置後一か月、三か月で観察した。その結果処置後一か月ではコントロ-ル群に比し明瞭な差異を認めなかったが、処置後三か月群では顎関節円板後部の滑膜組織のヒダ状増殖を認めた。すなわち滑膜炎が生じたことになる。また滑膜炎にともなう関節頭、関節結前の骨組織および円板組織の組織化学的変化も予想されるため現在検索中である。今後はこの病変をもっと強く生じさせ、また長期に及んだ場合の観察が必要であり、現在以下の実験を行なっている。ラット上下切歯の切歯を3ー4日に一度にし、より高頻度にする。観察期間は3か月、5か月、7か月、9か月とする。また平成2年度に行なった著者らの方法で顎関節後部結合組織に滑膜炎の発生することが確認されたが、平成3年度はラットに同処置を行ない、滑膜炎の初期病変について電顕的に見ていく予定である。
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