1991 Fiscal Year Annual Research Report
MRIおよび関節鏡による顎関節疾患の診断ー造影X線像および手術所見との比較研究ー
Project/Area Number |
02670907
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
木村 義孝 昭和大学, 歯学部, 助教授 (50112727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂巻 秀明 昭和大学, 歯学部, 助手 (50201520)
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Keywords | 顎関節症 / 顎内障 / 保存療法 / MRI / 顎関節鏡 / 関節造影法 / マニピュレ-ション / 症型分類 |
Research Abstract |
前年度の研究に引き続き今年度は特に臨床例を中心に検討し以下の結果を得た。 1,MRIは、放射線被爆の問題もなく、しかも非侵襲的に軟組織と硬組織構造とを同時に観察できるため、顎関節疾患の診断と治療には非常に有用と考えられた。顎関節腔内の癒着や炎症症状はMR画像からは得られなかったが、顎内障における関節円板前方転移所見の描出に有用と考えられた。 2,関節鏡による診査はクロ-ズドロックの症例が適応となるが、鏡視下での手術の適応は開発の初期に考えられたほどの臨床的効果は期待できないものと思われた。顎関節腔内の病態は顎関節鏡により明瞭に観察可能でありクロ-ズドロックの診断と病態解明に有用と思われた。 3、顎関節腔造影法は円板転位の有無の検査には究めて有効な方法であり、特に下関節腔の単一造影X線撮影法は技術的にも比較的容易で、関節円板の位置と動きを診査する有効な方法と思われた。 4、クロ-ズドロックの症例にたいするマニピュレ-ションあるいはパンピングマニピュレ-ションを中心とした保存療法は、関節円板の復位は見られないが臨床的には奏効例が約60%あった。 5、症型別頻度ではIII型が45%で最も多く、II型、IV型、I型の順でV型が最も少なかった。I型とIV型は女性に多く、III型で復位がみられない顎関節関節円板前方転位の症例ではI型、IV型の鑑別が困難なものが多かった。複合型の診断基準やその治療は今後さらに検討する余地があるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)