1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02670919
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (90014216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
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Keywords | 疾患モデルラット / 先天異常 / 口蓋裂誘発 / 顎顔面頭蓋 / 生物活性阻害剤 / 胎内環境 / 成長発育 / 発生 |
Research Abstract |
平成2年度は,第1に生物活性阻害剤の投与によって,ウット胎仔に奇形を発現させる実験を行った。 まず、母獣に薬物を投与する時期を決定するために,ラット胎仔における胎齢と顎顔面頭蓋の形成発育段階を詳細に調べた。すなわち,胎齢11日〜16日の胎仔を包含した状態の子宮の組織切片および胎仔の顎顔面頭蓋を走査電子顕微鏡により観察した。この結果、胎齢11日より12日前半において,内外側鼻突起の融合が生ずることが確認された。 薬物投与実験では,妊娠14日齢のラット母獣にコラ-ゲンのクロスリンク阻害薬であるβーアミノプロピロニトリルを腹腔内注射し,19分齢で開腹し,胎仔の状態を観察した。その結果,明らかに口蓋裂が認められる胎仔が存在したが,全身の浮腫状態も著明であり,薬物の胎仔全身へ及ぼす影響が強いことが分った。 第2に,平成3年度に予定しているラット胎仔における外科的侵襲と顎顔面頭蓋領域の形成異常成立との関係をみるための予備実験を行っている。 まず、外科的侵襲を与える部位を決定するために,子宮内におけるラット胎仔の姿勢について観察した。すなわち,妊娠12日の母獣より子宮を摘出し,体内にある時と同じ位置を保つようにして凍結した。凍結切片により観察したところ,ラット胎仔は,その頭尾方向を母獸一致させているものが多く認めらられた。また,胎仔はこの頭尾方向を長軸して回転しているものも認められた。 以上は,今後行う予定である外科侵襲による奇形モデルの作製実験に大いに参考となる結果であった。
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