1990 Fiscal Year Annual Research Report
多目的キラル合成素子の一般的製法の開発と生理活性物質合成への利用
Project/Area Number |
02670939
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井原 正隆 東北大学, 薬学部, 助教授 (00006339)
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Keywords | キラル合成素子 / 不斉合成 / 生理活性物質 / αーアルキルαーアミノ酸 / 含フッ素合成素子 / イソキノリンアルカロイド / インド-ルアルカロイド / カルバペネム系抗生物質 |
Research Abstract |
医薬品の創製において、不斉分子は光学活性体として合成することは現在極めて重要なことゝされている。光学活性体の製法は光学分割法および不斉合成法に大別されるが,キラル合成素子からの変換は最も効率的な方法の一つである。そこで多目的な合成に利用できる多様なキラル合成素子の一般的製法を開発すれば,この分野での研究を飛躍的に発展させることができる。この観点からメソ型化合物であるモノ置換マロン酸から第三級および第四級不斉中心を持つ非対称な1,3ープロパンジオ-ル誘導体の不斉合成について検討した。さらに本手法によって調整された様々なキラル素子を原料に用いて生理活性化合物を光学的に純粋な型で合成することを目的として本研究を行い、次のような研究成果を今年度上げることができた。 モノアルキルマロン酸から導びいた半エステルにおいては、異性化晶出の発現によって99%以上のジアステレオ選択性をもって第三級不斉中心が構築できることを明らかにした。得られた光学活性な1,3ープロパンジオ-ル体より1βーメチルカルバペネム系抗生物質,エメチンに代表される吐根アルカロイドの合成を行った。一方上記半エステルに対してジアステレオ面選択的なアルキル化を行い,第四級不斉炭素の一般的構築法を開発し,これらを用いて現在医薬品化学において大いに注目を集めているαーアルキルαーアミノ酸を光学的に純粋に、しかも効率良く合成する方法を確立した。また第四級不斉素子からフンテリアおよびアスピドスペルア型インド-ルアルカロイドへの変換に成功した。 さらに半エステルのフッ素化およびフロロマロン酸誘導体のアルキル化によって不斉炭素上にフッ素原子を持つキラル素子のジアステレオ選択的合成法を開発した。今後上記反応のscopeとlimitationを明らかにすると共に,キラル素子の有効利用について検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ihara,T.Kai,N.Taniguchi,K.Fukumoto: "Enantioselective Synthesis of Monofluorinated Chiral Building Blocks from Malonic Acid" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 2357-2358 (1990)
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[Publications] M.Ihara,K.Yasui,N.Taniguchi,K.Fukumoto: "An Asymmetric Synthesis of a quaternary chiral Building Block from Ethylmalonic Acid: A Preparation of Key Synthetic Intermediates of Hunteriaーand Aspidospermaーtype Indole Alkaloids" Heterocycles. 31. 1017-1020 (1990)
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[Publications] M.Ihara,N.Taniguchi,K.Yasui,K.Fukumoto: "Homochiral Synthesis of (ー)ーDihydrocorynantheol" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 2771-2773 (1990)
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[Publications] M.Ihara,K.Yasui,N.Taniguchi,K.Fukumoto: "Asymmetric Total Synthesis of (ー)ーProtoemetinol,(ー)ーProtoemetine,(ー)ーEmetine and (ー)ーTubulosine by Highly Stereocontrolled Radical Cyclisation" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 1469-1476 (1990)
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[Publications] M.Ihara,M.Suzuki,K.Fukumoto: "Chiral Synthesis of the Intermediate of Atisine" Heterocycles. 30. 381-384 (1990)
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[Publications] M.Ihara,M.Takahashi,N.Taniguchi,K.Yasui,H.Niitsuma,K.Fukumoto: "Stereoselective Alkylation of Dianions DeriveD from chiral Half Esters of Monosubstituted Malonic Acids:Asymmetric Synthesis of αーAkyl αーAmino Acids and Key Synthetic Intermediates for Huntera and Aspido Indole Alkaloids" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. (1991)