1991 Fiscal Year Annual Research Report
チャボイナモリ含有カンプトテシノイド配糖体アルカロイドの化学的研究
Project/Area Number |
02670942
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
相見 則郎 千葉大学, 薬学部, 助教授 (30009170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 満里子 千葉大学, 薬学部, 教務職員 (60195261)
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Keywords | Ophiorrhyza pumila / Chaboside / アカネ科 / アルカロイド / カンプトテシン / 配糖体 / 構造決定 / 合成 |
Research Abstract |
邦産Ophiorrhiza属植物3種のうちの一つチャボイナモリは、生育地が鹿児島県離島部から琉球列島にかけてのわが国亜熱帯生態圏に限定されているばかりか、それらの地においても極めて限られた分布を示す希少資源植物である。前年度までの研究の結果、本植物がカンプトテシンとその生合成中間体類を特異的に生産する興味ある植物であることがわかった。この実績をうけて今年度は含有成分の構造確認のための合成研究を行なうこととした。この研究は、次のステップ、すなわち薬理活性評価のための関連関質合成、あるいは培養細胞による物質生産、へ展開するための基礎実験ともなる。 Chabosideを合成研究の最初の標的化合物とした。この物質は前年度の研究成果として得られたものであるが、天然から初めて見出された配糖体型のカンプトテシンである。 ^1Hーおよび ^<13>CーNMRスペクトルの解析によりA環上に芳香環メトキシ基1個、グルコシルオキシ基1個が結合していることがわかり、更にNOESYおよびCOLOC手法による解析の結果メトキシル基が9位、グルコシルオキシ基が10位と推定された。この推定を確実なものとするため全合成を行なった。 基本方針として中国グル-プが開発したFriedlander縮合を鍵反応とする方法によることとした。A環部はoーVanillinを出発物質として合成した。キラルなCDE環セグメントの合成は最近第一製薬グル-プが開発した方法に従った。両者を酢酸酸性条件下縮合させることによってChabosideを得た。合成品と天然品は完全に一致し、Chabosideの構造はCー20位の絶対配置をも含めて確証された。同時にChaboside aglyconeである9ーMethoxyー10ーhydroxycamptothecin,また中国の研究者が最近喜樹から得た新規天然物10ーHydroxyー20ーdeoxycamptothecinの合成にも成功した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Aimi,H.Hoshino,M.Nishimura,S.Sakai,J.Haginiwa: "Chaboside,First Natural Glycocamptothecin found from Ophiorrhiza pumila" Tetrahedron Letters. 36. 5169-5172 (1990)