1991 Fiscal Year Annual Research Report
アルコ-ル脱水素酵素ーNADH系モデルの合成と反応性に関する研究
Project/Area Number |
02670950
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Research Institution | Kanazawa Uiversity |
Principal Investigator |
斎藤 徹 金沢大学, 薬学部, 助手 (00110544)
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Keywords | アルコ-ル脱水素酵素ーNADHモデル / 1,4ージヒドロニコチンアミド / アデニン / マグネシウムイオン / ^1HーNMR / UVスペクトル / ベンゾイルギ酸メチル / 還元 |
Research Abstract |
アデニン環をシクロファン形に組み込んだ1,4ージヒドニロニコチンアミド誘導体3種のMg^<2+>イオンとの相互作用を,1ーmethylー3ー(Nーmethylcarbamoyl)ー1,4ーdihydropyridineおよび開閉形誘導体1ー[6ー(6ーmethylaminoー9Hーpurinー9ーyl)]hexylー3ー(Nーmethylcarbamoyl)ー1,4ーdihydropyridineの場合と比較しながら,UVおよび ^1HーNMRスペクトルで調べた。UVスペクサルでは345nm付近のジヒドロニコチンアミド吸収帯の,Mg^<2+>イオン添加による吸光度増大を伴った深色移動がシクロファン誘導体で顕著に現われることが分かった。また, ^1HーNMRスペクトルではMg^<2+>イオン添加によるシクロファン誘導体ジヒロドニコチンアミド部のC(2)HおよびN(1)CH_2プロトンの顕著な高磁場シフトを認めた。これらのことより,1,4ージヒドロニコチンアミドにアデニン環をシクロファン形に組み込むことによって鎖体形成が促進されること,また,その促進の要因として,アデニン環のジヒドロニコチンアミドN(1)位上への接近による,π電子供与体としての鎖体安定化効果が関与している可能性を見いだすことができた。アセトニトリル中Mg^<2+>イオン存在下,ベンゾイルギ身メチルを基質としてジヒドロニコチンアミド誘導体による環元反応の速度を測定した。その結果シクロファン誘導体の中の1つに特に高い活性を見いだすことができた。また,シクロファン誘導体のメチレン鎖長の僅かな違いが還元活性に反映することから,ジヒドロニコチンアミド部とアデニン環の相対的な配置が活性に重要な影響を及ぼすという示唆を得ることができた。
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