1990 Fiscal Year Annual Research Report
アスパルチルプロテア-ゼ阻害剤を基礎としたエイズ治療薬の開発研究
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02670952
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船越 奨 京都大学, 薬学部, 助教授 (10135593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井深 俊郎 京都大学, 薬学部, 助教授 (80025692)
大高 章 京都大学, 薬学部, 助手 (20201973)
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Keywords | エイズウイルス / アルパルチルプロテア-ゼ / 阻害剤 / 有機銅ールイス酸複合剤 / トランスオレフィン型イソスタ- / Fmoc型固相法 |
Research Abstract |
エイズウイルスが有するRNAには種々のタンパク質がコ-ドされており感染宿主内で発現され,ウイルスの分化,成長を司る構造タンパク質、酵素が産生される。その内Polタンパク質の前駆体遺伝子の構造中にウイルスの分化,増殖等に重要な役割を演じるタンパク質をプロセッシングする酵素の存在が指摘された。本酵素は活性中心にアスパラギン酸を有するアスパルチルプロテア-ゼであり,本酵素の不活性化が,エイズウイルスの増殖能力を低下させることが指摘されている。本研究は,まずこの酵素を化学的に合成し、それを用いて本酵素の基質特異性に詳細な検討を加えるとともに,特異的阻害剤を分子設計することにより,エイズ感染症の治療薬の開発を目的とするものである。 本年度は、まず本酵素のFmoc型固相合成を試みたが,多数の不純物を含んだものが得られ、目的とする酵素を純品として得ることが出来なかった。その原因としては,本酵素は特異なアミノ酸構造持に疎水性アミノ酸に富んだ特徴的な配列を有し固相担体上でぺプチドが特異な高次構造を形成するためペプチド鎖の延長反応が進行し難く合成が極めて因難であることが判明した。現在その問題を解決するため,固相担体,縮合法,溶媒効果,精製法等に検討を加え,本酵素の合成法を早急に確立したいと考える。 また、阻害剤の開発に当たっては,トランスオレフィン型ジペプチドイソスタ-の一般合成法に検討を加えた。申請者らが開発した有機銅ールイス酸複合剤をホモキラルなα,βーエノエイトに作用し,1,3ー不斉転移を行ない,本基本骨格を高収率かつ高選択的に合成出来ることを明らかにし,数種のトランスオレフィン型イソスタ-を合成したので,これを本酵素の阻害剤の開発した利用したいと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ibuka,H.Habashita,S.Funakoshi,N.Fujii,Y.Oguchi,T.Uyehara,Y.Yamamoto: "Highly Selective Synthesis of(E)ーAlken Isosteric Dipeptides with Hight Optical Purity via RCu(CN)Li.BF_3 Mediated Reaction." Angew.Chem.Int.Ed.in Eng.,. 29. 801-803 (1990)
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[Publications] T.Ibuka,H.Habashita,S.Funakoshi,N.Fujii,K.Baba,M.Kozawa,Y.Oquchi,T.Uyehara,Y.Yamamoto: "Determination of Absolute Configuration of the Alkyl Group at the αーPosition in the Acyclic αーAlkylー(E)ーβ,γーEnoates by Circular Dichroism." Tetrahedron:Asymmetry. 1. 389-394 (1990)