1990 Fiscal Year Annual Research Report
新規キラル合成素子の開発と生理活性物質合成への応用
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02670964
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
本多 利雄 星薬科大学, 医薬品化学研究所, 助教授 (70089788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幸夫 堀内伊太郎商店株式会社, 研究開発部, 主任研究員
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Keywords | キラル合成素子 / 生理活性物質 / 1βーメチルカルバペネム / 抗生物質 / カルボン |
Research Abstract |
応用性のあるキラル合成素子の開発を目的として、両対掌体が入手容易なカルボン(1)を原料に用い、エポキシ体(2)の転位反応及び生成物(3)の酸化によりシクロペンタノン誘導体(4)の簡易合成法を確立することが出来た。本法は途中での分離操作の必要も少なく、原料より約60%の総収率で目的物を与える。また生成物(4)は5員環の全ての炭素上で化学修飾が可能であり、生理活性物質合成に有用なキラル源になりうる化合物である。そこで化合物(4)を幅広い抗菌活性を有する1βーメチルカルバペネム合成の重要中間体へと変換した。まず(4)のカルボキシル基をアルコ-ルトし、BaeyerーVilliger反応によりラクトン(5)とした。次いでエポキシ基の脱酸素によりオレフィンを再生し、アルキル化、酸化、Beckmann転位によりアミド(6)を立体選択的に合成した。アミド(6)を加水分解、再閉環することにより、1βーメチルカルバペネム合成の重要中間体(7)を光学的に純粋な化合物として得ることに成功した。テルペンを原料とするカルバペネムの合成は稀であり.新合成法が確立出来た。さらに化合物(4)のカルボニルを除去後ジアゾケトン(8)とし、分子内環化反応を行うと立体選択的に(9)が生成することが判明し、新規炭素ー炭素結合形成法が開発出来た。本法の利用により、4ーepiーisovalerenenol(10)の短行程合成にも成功した。
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[Publications] 本多 利雄: "An Enantioselective Synthesis of the Key Intermediate for the Preparation of 1βーMethylcarbapenem Antibiotics" Heterocycles. 31. 1225-1228 (1990)
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[Publications] 本多 利雄: "Novel CarbonーCarbon Bond Formation by Means of a Rhodium Acetateーcatalysed Reaction of γ,δーUnsaturated Diagoketone and Its Application to the Synthesis of 4ーepiーIsovalererenol" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. (1991)