1991 Fiscal Year Annual Research Report
チオニウムイオンの分子内極性環状付加反応を用いる生理活性物質の合成
Project/Area Number |
02670967
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石橋 弘行 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (70028869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 正澄 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30028857)
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Keywords | チオニウムイオン / 極性環状付加反応 / αークロロスルフィド / スルホキシド / ラジカル環化反応 / ヘック反応 / ポドフィロトキシン |
Research Abstract |
1.研究実施計画1)に述べたαークロロスルフィドの[4^++2]型極性環状付加反応を用いるpodophyllotoxinの合成に関しては、反応試剤及び反応条件を種々検討したが、目的とする付加反応成績体を得ることができなかった。従って、このル-トによるpodophyllotoxin類の合成は断念した。しかし、本研究途上、podophyllotoxinの別の合成ル-トとしてラジカル環化反応を経由する方法を考案し、それについて検討した。その結果、(Z)αーbenzylideneーβー(oーbromobenzyl)ーγーlactoneをアゾビスイソブチロニトリル存在下トリブチルスズで処理するか、または、O価のパラジウムを用いるHeck反応の条件下で処理すると、それぞれ、(±)ーdeoxyisopicropodophyllin及び(±)ーγーapopicropodophyllinが得られることを見出した。後者の成績体はpodophyllotoxinへと変換できることがすでに知られているので、ここにpodophyllotoxinの形式全合成を達成することができた。 2.研究実施計画2)に述べた[2^++4]型の極性環状付加反応に関しては、1ーメチルスルフィニルー5,7ーオクタジェンー2ーオンのPummerer反応を経由するル-トにより1ーメチルチオー6ービニルビシクロ[3.1.0]ヘキサンー2ーオンを収率よく得ることに成功した。現在、本成績体からプロスタグランジン誘導体への変換反応を検討している。 3.研究実施計画3)に述べたchuangxinmycinの合成に関しては、鍵化合物の合成に因難をきたしており、現在もなお鋭意検討中である。
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