1991 Fiscal Year Annual Research Report
培養心膜細胞におけるヒアルロン酸生合成の調節機序に関する研究
Project/Area Number |
02671014
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
森 陽 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (50057303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 厚 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70112886)
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Keywords | ヒアルロン酸合成 / プロスタグランジンE_2(PGE_2) / サイクリックAMP / 細胞内情報伝達系 / 心膜細胞 / ウサギ心膜 |
Research Abstract |
表面を単層扁平上皮性の中皮細胞で覆われている心膜は,心膜腔を形成して,その中に心膜液を貯えている。最近,心膜がプロスタサイクリン,プロスタグランジンE_2やヒアルロン酸を生合成することが判明し,生理学的にも極めて重要な役割を有する組織であることが,明らかになってきた。本年度は、ウサギ心膜腔より分離培養した心膜細胞を用いて,ヒアルロン酸合成に対するプロスタグランジンE_2(PGE_2)の作用を調べ,以下の研究成果を得た。1)ウサギ心膜細胞にPGE_2を添加すると,ヒアルロン酸合成は濃度依存的に促進されたが,PGI_2,PGF_<2α>では,かかる作用は認められなかった。2)PGE_2(1000ng/ml)で心膜細胞を処理すると,細胞内サイクリックーAMP(cーAMP)量は,5分間で約7.1倍に上昇した。3)アデニル酸シクラ-ゼ阻害剤(2',5'ーdideoxyadenosine)及びPKA阻害剤(PKI5ー24)により,PGE_2によるヒアルロン酸合成促進作用は、有意に抑制されたが,PKC阻害剤(Hー7)では抑制されなかった。4)細胞内cーAMP量を上昇させる試薬(ジブチルーサイクリックAMP,forskolin等)によってもヒアルロン酸合成が促進された。 以上,ウサギ心膜細胞が産生,遊離するPGE_2は,cーAMPを経由する細胞内情報伝達系を介して,ヒアルロン酸合成を促進することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)