1990 Fiscal Year Annual Research Report
体幹麻痺(ねたきり)患者における随意的体位変換実現の基礎研究
Project/Area Number |
02671031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星宮 望 東北大学, 工学部, 教授 (50005394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 博達 東北大学, 医学部, 助手 (50221362)
半田 勉 東北大学, 医学部, 助手 (30208699)
半田 康延 東北大学, 医学部, 教授 (00111790)
村上 肇 東北大学, 工学部, 助手 (80219899)
二見 亮弘 東北大学, 工学部, 助手 (20156938)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 運動機能再建 / 神経・筋系 / 体幹麻痺 / 寝たきり / 体幹制御 / 体位変換 / 筋電図 |
Research Abstract |
近年、高齢化社会の到来に伴う問題として「寝たきりの患者の増加」が挙げられている。本研究は機能的電気刺激(FES)の手法を麻痺した体幹の制御に応用し、患者が自分で体位変換を行うための基本的な知見を得ることを目的としており、本年度は以下の成果を得た。 1.健常者を被験者とし、表面電極あるいは経皮的ワイヤ電極によって体位変換動作時の体幹の筋の活動電位の多チャネル同時記録を行い、機能的電気刺激による体幹制御の実現のために、実際の生体がどのような筋活動によって体位変換を達成しているかの解析を行った。 2.健常者を被験者とし、臨床的に用いられているパラメ-タに基づいたパルス刺激を行い、表面電極を用いて体位変換に関与していると思われる筋の電気刺激に対する閾値電圧並びに最大電圧を測定し、機能的電気刺激を行う際の特性を得た。 3.動作解析として関節の角度を用いた評価がよく行われるが、体位変換の場合には動作に関与している関節変位の同定が困難である。そこで体位変換動作の達成指標として胸郭と骨盤の水平度に着目し、これらの値によって体糸変換動作を表現して、筋活動電位と併せて解析を行った。 4.前述の体位変換達成指標は単に評価に用いるのみでなく、刺激装置に対するフィ-ドバック情報としても有効であると考えられる。そこで達成指標を効率よく取得するためのシステム(センサ・制御入力装置・ソフトウェア)を製作した。 5.患者からの制御命令入力信号をハ-ドウェア的に処理し、ディジタル信号として制御装置(パ-ソナルコンピュ-タ)へ送るインタフェ-スを製作した。これにより制御装置上でのソフトウェアの処理を簡略化することができ、効率のよい制御が期待される。
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[Publications] 二見 亮弘,他: "筋・神経系の機能的電気刺激(FES)による麻痺肢の運動制御について" 第17回応用情報学研究センタ-・シンポジウム予稿集. 27-34 (1990)
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[Publications] 高橋 徹,他: "体位変換を目的とした骨盤の回旋動作に関する検討" 第11回バイオメカニズム学術講演会予稿集. 221-224 (1990)
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[Publications] N.Hoshimiya,et al: "FUNDAMENTAL STUDY FOR ROLLINGーOVER MOTION OF THE BODY BY FUNCTIONAL ELECTRICAL STIMULATION(FES)" 12.th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society. 2265-2266 (1990)
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[Publications] 村上 肇,他: "機能的電気刺激の体位変換への適用のための基礎的検討" 電子情報通信学会技術研究報告(MEとバイオサイバネティックス). 90. 77-82 (1990)