1990 Fiscal Year Annual Research Report
HIVー1感染者特に血友病のAIDS発症早期予知マ-カ-の研究
Project/Area Number |
02671075
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
松田 重三 帝京大学, 医学部・第一内科, 助教授 (00091067)
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Keywords | AIDS予知マ-カ- / adenosine deaminase / neopterin / β_2ーmicroglobulin / カルジオリピン抗体 / 免疫複合体 |
Research Abstract |
HIVー1に感染した血友病患者のAIDS発症を早期に予期し、即対応することは臨床的に重要で、この早期発見に有用なマ-カ-の登場が望まれている。 我々はこのマ-カ-の候補として、thymidine kinase(TK),tumor necrosis factor(TNF),adenosine deaminase(ADA),β_2ーmicroglobulin(β_2M),neopterin(NP)をとりあげ、HIVー1感染症を対象にその有用性を検討した。 その結果、TK,TNFに関しては、その測定の有用性を見い出せなかったが、ADA,β_2M,NPの経過を追っての検索は、HIVー1感染症の病態と密接に相関することが判明した。 すなわち、ADA,β_2M,NPは、HIVー1のasymptomatic carrier(AC)では正常範囲内の値を示したが、AIDSーrelated complex(ARC)あるいはAIDSでは、いずれのマ-カ-も中〜高度の増加を示した。しかもACの患者を経過を追って観察すると、ARC,AIDSと進行するにつれ、3つのマ-カ-は次第に増加することを確認した(日本臨床病理学会誌掲載予定)。 さらに新たなマ-カ-として、抗カルジオライセン抗体および免疫複合体をとりあげ、検討したが、この2者はAIDS発見予知マ-カ-としてではなく、HIVー1感染症の免疫学的側面、すなわちAIDSを自己免疫疾患として認識する上において、非常に貴重なデ-タを与えてくれることがわかった(日本輸血学会誌)。 今後は、これらがアジドチミジン(AZT)やbiological response modifier(BRM)により治療により、どのような変化を示すか、長期にわたって検討を加えて行きたい。
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Research Products
(2 results)