1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02671088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 芳一 東京大学, 医学部, 助手 (80196419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 芳知 東京大学, 医学部, 助手 (70175256)
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Keywords | 糖輸送体 / インスリン / 糖輸送活性 / トランスフェクション |
Research Abstract |
脂肪細胞型糖輸送体(GLUT4)のcDNAをラット脂肪細胞のcDNAライブラリ-よりオリコヌクレオドをプロ-ブとしてクロ-ニングした。このcDNAを我々orすでにGLUT1の発現に用いて成功している発現ベクタ-pMTHneoに組み込み、カルシウム・リン酸沈殿法にて、チャイニ-ズハムスタ-オバリ-(CHO)細胞にトランスフェクトした。ラットGLUT4の発現は、ラットGLUT4のC末端に対する特異的な抗体を作製し、ウエスタンブロッティングを行って確認した。ところが、GLUT1の発現の場合には、既に我々が報告したように著明な糖輸送活性の上昇がみられるのに対し、GLUT4の発現では糖輸送活性の上昇が認められなかった。そこで、GLUT4は発現されるのだが、細胞内にとどまり、細胞表面へ出てこない可能性を考えた。細胞表面の糖輸送体を標識してみると、GLUT1の発現では大量のGLUT1が細胞表面に認められるのに対し、GLUT4の発現では細胞表面に認められなかった。抗体を用いた免疫蛍光法で検討してみると、発現したGLUT1は細胞表面に認められるのに対し、発現したGLUT4は細胞内部、恐らくはゴルジ装置の近傍に一塊となって認められた。このGLUT4はインスリン投与によっても細胞表面上に移動しなかった。 以上のように、構造の極めて類似した2つの糖輸送体、GLUT1とGLUT4は、CHO細胞へ発現された場合に極めて異なった細胞内動態を示した。ひとつの可能性は、CHO細胞には元来GLUT1は存在するがGLU4は存在せず、このため発現されたGLUT4が入るべき適当な細胞内膜構造が存在しないために、細胞内部にとどまり、細胞表面に出てこないのではないかと考えられる。今後はこのようなGLUT4特異的蛋白のクロ-ニングが重要と考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shibasaki,Y.,Asano,T.Oka,T.et al: "Overexpression of glucose transporter modulates insulin biosynthesis in insulin producing cell line" FEBS Letters. 270. 105-107 (1990)