1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02671098
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 嘉郎 大阪大学, 医学部, 助手 (10218141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川知 雅典 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
清水 孝郎 大阪大学, 医学部, 助手
河野 典夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (30093412)
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Keywords | 糖尿病 / 膵島 / 肝 / 解糖系 / グルコキナ-ゼ / ホスホフルクトキナ-ゼ |
Research Abstract |
平成3年度は、昨年度に引き続き糖尿病状態での解糖系律速酵素の変動を検討した。ラットをストレプトゾトシン処理して糖尿病状態にした後にインスリン治療を行ない、グルコキナ-ゼ、ホスホフルクトキナ-ゼ、ピルビン酸キナ-ゼのmRNAレベルの変動を測定した。グルコキナ-ゼmRNAは糖尿病状態では著しく低下したが、インスリン治療とともに速やかに回復し、6時間後にピ-クに達した後に低下した。これに対し、ピルビン酸キナ-ゼmRNAのインスリンによる回復は遅れ、24時間後も正常ラットの値までは回復しなかった。一方、ホスホフルクトキナ-ゼmRNAは糖尿病状態でも減少しておらず、インスリン投与によっても大きな影響を受けなかった。このことより、同じ解糖系律速酵素といえども酵素によりその調節機構は大きく異なっていることが明暸に示された。さらに本年度は筋型ホスホフルクトキナ-ゼの遺伝子を解析した。ホスホフルクトキナ-ゼは解糖系律速酵素として重要であるにもかかわらず、その分子生物学的検討は比較的遅れている。昨年度の研究で、本酵素の筋型アイソザイムが培養b細胞で発現していること、また組織特異的なスプライシングを受けることを示したが、本年度は筋型ホスホフルクトキナ-ゼ遺伝子の全構造を明らかにした。筋型ホスホフルクトキナ-ゼ遺伝子は30kb、24塩基対にわたる比較的大きな遺伝子であり、5'に独立したnonーcodingエキソンを二つ有していてその各々にプロモ-タ-配列を認めた。レポ-タ-アッセイの結果、この両者にプロモ-タ-活性を認め、二つのプロモ-タ-を有することが明らかになった。以上、今年度の研究により解糖系で最も重要な3種の律速酵素の発現を糖尿病状態およびインスリン治療経過において観察し、さらにb細胞で発現している筋型ホスホフルクトキナ-ゼの全遺伝子構造とその発現調節領域を解明した。
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[Publications] T.Yamasaki: "Structure of the entire human muscle phosphofructokinaseーencoding gene:A twoーpromoter system." Gene. 104. 277-282 (1991)
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[Publications] K.Hotta: "Rat liver type phosphofructokinase mRNA. Structure,tissue distribution and regulation." Eur.J.Biochem.202. 293-298 (1991)
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[Publications] 清水 孝郎: "膵島b細胞グルコキナ-ゼ.グルコ-スセンサ-としての意義と最近の知見." 実験医学. 9. 398-403 (1991)
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[Publications] 清水 孝郎: "膵島解糖系とグルコ-スセンサ-" 内分泌学の進歩. 8. 198-210 (1991)
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[Publications] 中島 弘: "インスリン効果器官におけるホスホフルクトキナ-ゼ遺伝子の機能とその異常." 実験医学. 9. 465-470 (1991)
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[Publications] 中島 弘: "ホスホフルクトキナ-ゼM遺伝子における組織特異的なaltemative splicingの分析." プリン・ピリミジン代謝.