1990 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部での成長ホルモン放出因子ならびにソマトスタチン遺伝子の発現について
Project/Area Number |
02671104
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
片上 秀喜 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50204417)
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Keywords | 甲状腺機能低下症 / ラット成長ホルモン(ラットGH) / 成長ホルモン促進因子(GRF)遺伝子発現 |
Research Abstract |
成長ホルモンの分泌は視床下部に存在するGH放出因子(GRF)とGH放出抑制因子(ソマタトチン、SRIF)の相互作用によって調節されている。ヒトの甲状腺機能低下症における成長障害の原因としてGH分泌障害されていることが知られていたが、その成因として視床下部GRFの遺伝子発現とその分泌障害が想定されていた(Katakami et al,JCI77:1704,1986)。平成2年度は当初の計画どおり、甲状腺機能低下症ラットにおける視床下部GRF遺伝子発現を検討した。まず、抗甲状腺剤を飲料水に混ぜ、慢性投与することによってり、GH分泌低下を来たした甲状腺機能低下症ラットを作成した。同症ラットに於ては、下垂体GH含量のみならず末梢血中のGH濃度も減少していた。視床下部GRF含量は以前の報告(Katakami et al,JCI77:1704,1986)と同様に、著明に低下していた。この甲状腺機能低下症ラットに甲状腺ホルモンを補充したところ、減少していた下垂体GHのみならず視床下部GRH含量は対照群と比較して部分的に回復した。一方、GHもしくはSRIFの単独投与によっても同様に、減少していた下垂体GHならびに視床下部GRF含量は、部分的に回復した(Hidaka H et al.Endocrinology 124:A796,1989)。 Northern blotting analysisによる甲状腺機能低下症ラットの視床下部GRFmRNAに対照群と比較して増加していた。この甲状腺機能低下症ラットに甲状腺ホルモンを補充したところ、増加していた視床下部GRFmRNAは対照群と比較して部分的に回復した。一方、GHもしくはSRIFの単独投与によっても同様に、増加していた視床下部GRFmRNAは、部分的に回復した。以上の成績は、甲状腺機能低下症ラットにおける視床下部GRF含量の低下は、下垂体GH欠損により、negative feedback機構を介して、視床下部でのGRF遺伝子発現が亢進し、GRF分泌が高まり、結果として二次的に視床下部GRF含量が低下したものと推論された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hidaka H et al.: "Suppression by somatostatin (SRIF) and GH of hypothalamamic GHーreleasing hormne (GRH) release in hypothyroidism." Endocrinology. 124. A796 (1989)
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[Publications] 片上 秀喜: "ラット成長ホルモン放出因子(GRF)の分泌ならびに遺伝子発現に及ぼす甲状腺ホルモンの影響に関する研究" 上原記念生命科学財団研究報告集. 4. 212-215 (1990)
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[Publications] Katakami H et al.: "Inhibition by somatostatin of growth hormoneーreleasing factor gene expression in the hypothalamic arcuate nucleus." Endocrinology. 128. A1608 (1991)