1990 Fiscal Year Annual Research Report
赤芽球系細胞の増殖分化におけるp53がん抑制遺伝子の機能の解析
Project/Area Number |
02671122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東篠 有伸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00211681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 敬也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30137707)
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Keywords | p53 / 赤芽球細胞 / JK1 / Ku812 |
Research Abstract |
種々のヒト培養白血病細胞より抽出したポリA(+)RNAを対象に、p53 cDNAをプロ-ベとしてノ-ザンブロット解析を行った結果、リンパ性白血病細胞では全てに高い発現を認めたが、骨髄系細胞株ではJK1とKu812 2つの赤芽球系細胞株においてのみ高い発現を認め、他の細胞株では発現は極めて低いか認められなかった。また、骨髄系細胞株についてはp53遺伝子のサザンブロット解析を行ったが、JK1およびKu812を含めた全例で遺伝子増幅、再構成などの変化は検出できなかった。さらに上記2株については、細胞を ^<35>Sメチオニンで標識後可溶化し、抗p53モノクロ-ナル抗体で免疫沈降したものをSDSーPAGEで解析した。その結果、両株において分子量約53KDの蛋白即ちp53を同定することができた。他、Ku812細胞においては分子量約75KDおよび180KDの蛋白質が共に免疫沈降されることを見出した。これらの蛋白質は細胞内においてp53と複合体を形成している可能性が示唆された。われわれはまた、哺乳動物細胞ベクタ-にp53cDNAをセンス方向に挿入し、p53陰性のHEL細胞に導入し安定形質転換体を得ることができた。しかしながら、この形質転換体は形態、増殖能、分化誘導能などの点で親株と比較し著明な変化を示さなかった。なお、p53cDNAをアンチセンス方向に挿入したものを同様にKu812細胞へ導入したが、有意な発現レベルの低下は得られなかった。今回実験に用いたp53cDNAは点突然変異を有するミュ-タントであることが途中で判明したため、いずれにせよ形質転換体を用いて赤芽球系細胞の増殖分化におけるp53の役割を検討することは今後に残された。
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Research Products
(1 results)