1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02671135
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
須田 年生 自治医科大学, 医学部, 講師 (60118453)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 祐司 自治医科大学, 医学部, 助手 (00220286)
|
Keywords | 血液幹細胞 / CD34抗原 / FACS |
Research Abstract |
1.ヒト血液幹細胞の純化:血液幹細胞は、多分化能をもつと同時に、造血系を維持する自己複製能を有すると考えられる.このような幹細胞は、全有核細胞10^4〜10^5に1個の頻度で存在する.幹細胞の機能を解析するためには、この細胞を純化する必要がある.我々は、ヒト骨髄細胞からCD34抗体を用いてFACSによりCD34抗原陽性細胞を純化し、そのコロニ-形成能を検討したところ、約3個に1個が前駆細胞であることを明らかにした.このうち、CD33抗原陽性細胞は、ILー3の他にGーCSFにも反応し、顆粒球系への分化が決定されていると考えられる.これに対し、CD33陰性細胞は、ILー3にのみ反応し、多方向への分化が可能であった.これらの結果から、CD34抗原は全骨髄細胞の約1%に表現され血液細胞に特異的な抗原と考えられた. 2.ヒト血液幹細胞の自己複製能:次に、我々は、ヒト骨髄細胞を低温で培養することにより間質(ストロマ)細胞層を用意し、幹細胞との共培養を行なった.CD34陽性CD33陽性細胞は、ストロマ細胞層上では、2ー3個で消失したが、CD34陽性CD33陰性細胞は5ー6週にわたってコロニ-形成細胞を生みつづけた.この結果は後者の細胞が、ストロマ細胞上である程度の自己複製を示したものと考えられる. 3.CD34抗原の遺伝子発現:我々は、このCD34抗原の機能を知るために、マウス造血系でCD34抗原の発現を検討し以下のことを明らかにした.(1)CD34抗原は、脳,睾丸で発現率が高く、骨髄,脾ではほとんど検出されなかった.(2)造血を支持するストロマ細胞株PAー6で、CD34抗原はILー1刺激などによって誘導される.(3)胎生12ー16日の肝で発現され、生体肝では検出されなかった.(4)ILー1刺激したPAー6のcDNA Libraryよりmouse CD34遺伝子をつりあげた.今後、この遺伝子の発現機構を検討することによりCD34の機能を明らかにしていきたい.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Wada,H.: "Expression of ABH and MN group antigens on human erythroid progenitors in a liquid culture system." BLOOD. 75. 505-511 (1990)
-
[Publications] Ema,H.: "In vitro differentiation of leukemic cells to eosinophils in the presence of interleukinー5 in two cases of acute myeloid leukemia with the translocation (8;21)(q22;q22)." BLOOD. 75. 350-356 (1990)
-
[Publications] Hayashi,SーI.: "Stepwise progression of B lineage differentiation supported by interleukin 7 and other stromal cell molecules." J.Exp.Med.171. 1683-1697 (1990)
-
[Publications] Ema,H.: "Colony formation of cloneーsorted human hematopoietic progenitors." BLOOD. 75. 1941-1946 (1990)
-
[Publications] Tamura,S.: "A new hemopoietic progenitor cell line,KMTー2,having human interleukinー3 receptors." BLOOD. 76. 501-507 (1990)
-
[Publications] Ema,H.: "Target cells for GーCSF,ILー3 and ILー5 in differentiation pathways of neutrophils and eosinophils." BLOOD. 76. 1956-1961 (1990)
-
[Publications] Sude,T.: "Experimental Hematology Today 1989" SpringerーVerlag(New York), 8 (1990)
-
[Publications] miura,Y.: "Moleclar Biology and Differentiation of Megakaryocytes" WileyーLiss(New York), 12 (1990)