1990 Fiscal Year Annual Research Report
動的システムの定性解析のソフトウェア化に関する研究
Project/Area Number |
02680024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 豊明 京都大学, 工学部, 助教授 (70135531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堂下 修司 京都大学, 工学部, 教授 (00025925)
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Keywords | 定性推論 / 力学系 / 常識推論 / 工学的問題解決 / 人工知能 / 微分方程式 |
Research Abstract |
工学的問題解決では系の挙動が非線形の連立常微分方程式によって表される動的システムの挙動解析は最も基本的な問題の一つである。本研究では我々が従来より進めてきた定性推論の技法をベ-スに、動的システムの挙動解析を自動的に行なうソフトウェアシステム実現のための基礎的研究を行なう。相空間における微分方程式の解軌道の幾何学的特徴を解析する力学系の理論に基づき、(1)計算機上の推論に適した軌道の幾何学的特徴の表現法の開発、(2)定性解析と定量解析のインタ-フェ-スの確立、(3)相空間が非ユ-クリッドになる場合の解析法の確立、を研究目標として設立した。 平成2年度は、2次元のユ-クリッド空間上の区分線形型微分方程式を対象として定性相空間解析システムの基本設計と試作を行った。具体的な成果は次の通りである。 (1)解析アルゴリズムとそこで用いるデ-タ構造の基本設計を行なった。これは次の3ステップから成る。(ステップ1)各線形領域ごとに固有値、固有ベクトルを求めて、与えられたシステムの挙動の局所的な特徴を抽出する。その結果を軌道の位相的特徴に関する表現として生成する。(ステップ2)局所解析によって得られた軌道の断片に関する情報を統合し、さらに軌道の大域的性質を調べて、相空間に存在する軌道のタイプを同定する。(ステップ3)上で得られた解析結果の併合を行い、要約された挙動記述を生成する。 (2)上に述べた基本アルゴリズムの詳細化とコ-ディングを行い、解析システムのプロトタイプをワ-クステ-ション(SUN4)を利用して作成した。 (3)試作したシステムによって典型的な動的システムに対して解析実験を行ない、機能面での整合性と完全性のチェックを行なった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toyoaki Nishida,Hiroshi Fujiwara,and Shuji Doshita: "Abstracting Flow as Mapping" Proceedings of Pacific Rim International Conference on Artificial Intellingence '90. 384-389 (1990)
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[Publications] 山田 篤,網谷 勝俊,星野 泰一,西田 豊明,堂下 修司: "自然言語における空間描写の解析と情景の再構成" 情報処理. 31. 660-672 (1990)
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[Publications] Atsushi Yamada,Toyoaki Nishida and Shuji Doshita: "Qualitative Interpreter for the Sense Teaching of the Spatial Descriptions" Proceedings of International Conference on Advanced Research on Computers in Education. 255-266 (1990)
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[Publications] Toyoaki Nishida and Shuji Doshita: "PSX:A Program that Explores Phase Portraits of Twoーdimensional Piecewise Linear Differential Equations" Memoirs of the Faculty of Engineering,Kyoto University. 52. 311-355 (1990)
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[Publications] 西田 豊明: "定性推論の考え方とその知的問題解決への応用" 情報処理. 32. 105-117 (1991)
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[Publications] Toyoaki Nishida and Shuji Doshita: "Reasoning about Global Behavior of Ordinary Differential Equations by Combining Qualitative and Quantitative Analysis" Proceedings of the Second Annual Conference on AI,Simulation and Planning in High Autonomy Systems. (1991)