1991 Fiscal Year Annual Research Report
推論結果の妥当性を考慮した非単調論理の定式化とその利用に関する研究
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02680030
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
村上 研二 愛媛大学, 工学部, 教授 (30036446)
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Keywords | 非単調論理 / デフォルト論理 / デフォルト推論 / 常識推論 / 知識ベ-ス / 知識表現 / 知識工学 / 人工知能 |
Research Abstract |
本年度は昨年提案した新しい非単調論理の理論的な解析と,この論理を組み込んだ小規模な知識情報処理システムの構築実験の結果から,提案の論理の理論面および実用面での性質を明らかにした.以下その概要を述べる. 1.新しい非単調論理の理論的な効析 新しい非単調論理は,ReiterのDefault Logicにおける常識的知識の推移性を推論回数という面から制限し,これにより直観とは一致しない推論結果が出現するのを抑制しようとするものである.この非単調論理の理論的な解析の結果得られた主な性質は次のようである.(1)この論理から推論される推論結果の集合は少なくとも一つは必ず存在する.(2)この論理で定義される「推論妥当性」の尺度を用いれば,複数個の相反する推論結果の中から,より妥当な推論結果を選択することができる.(3)この論理で定義される「推論の限界」が無限大のとき,提案の非単調論理とReiterのDefault Logicは一致する. 2.新しい非単調論理を用いた知識情報処理システムの構築 新しく定式化した非単調論理に基づく推論システム(小規模なエキスパ-トシステム)を構築し,このシステムを用いた質問・応答実験の結果から,推論結果の妥当性を検証した.推論システムの構成にはPrologを用いた.その構成方法は次のようである. デフォルト式d=a:Mb/cをPrologを用いて次のように書く(但し,$+はPrologの否定). c:-a,mb. mb:- $+nb;b. なお,このようにして構成した推論システムは,システムに与えられた知識集合が拡張世界(推論結果の集合)を複数個持たない正規デフォルト理論の場合には,完全かつ健全であることを確かめている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 村上 研二: "Default Reasoning Based on a Certainty Measure of Inferred Beliefs" Third International Conference of Information Processing and Management of Uncertainty in KnowledgeーBased Systems. 466-468 (1990)
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[Publications] 村上 研二: "非単調推論により得られる知識集合の諸性質" 愛媛大学工学部紀要. 12. 457-465 (1991)
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[Publications] 村上 研二: "制限された推論回数の下でのデフォルト推論" 情報処理学会論文誌. 32. 364-372 (1991)
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[Publications] 村上 研二: "推論結果の妥当性を考慮したデフォルト推論" 愛媛大学工学部紀要. 12. (1992)