1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680044
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
宮崎 修一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (50133038)
|
Keywords | 双晶 / 第II種双晶 / 双晶境界 / マルテンサイト / CuーAlーNi合金 / 高分解能電子顕微鏡観察 / 形状記性合金 |
Research Abstract |
本研究はCuー13.7wf%ARー4.0wt%Ni合金の単結晶試料を用いて、試料方位をコントロ-ルした上で,マルテンサイト変態させ,200kv電子顕微鏡による高分解能電子顕微鐘観察により,riマルテンサイトの双晶境界構造を明らかにしようとしたものである。まず双晶境界の観察に先立って結晶構造そのものの高分解能電顕観察を行い,[001]構造像の撮影に成功した。更にマルチスライス法によるコンピュ-タ・シミュレ-ションを行い,構造像のシミュレ-ションに成功した。続いて双晶境界構造の有利な方向からの高分解電顕観察を行ったが,(1Σ1)r_1'第I種双晶,[111]r_1'第II種双晶,(T01)r_1'複合双晶の全ての観察に成功した。有理指数で表わされる(1Σ)r_1'第I種双晶を[111]r_1'晶帯軸からみた高分解電顕像は非常にシャ-プな界面を形成しており,この界面は整合性がよく歪のない界面であることを端的に示していた。(T01)複合双晶も同様の傾向を示していたが,このことはこの界面が有理指数で表わされることから当然理解できることであり,やはり界面はシャ-プであった。問題は[111]r_1'第II種双晶である。この場合双晶界面は無理指数で表わされる面になってしまうが,無理指数の界面を原子的天度で見たらどうなるかは従来からの懸案であった。従来からの定説は,界面は有理指数のledgeとstepから成っており,その平均が無理指数になるというものであるが,まだそれを明確に示す写真は得られていない。それを明確に示しらる観察方位は,双晶シア-の方向,すなわち主軸の方向であるが,これはユニ-クな方向であるため,まだ誰もこの方向からの観察に成功していない。しかし今回始めて主軸方向からの観察に成功した。それにもかかわらず,第II種双晶境界にledgeとstepは観察されなかった。この矛盾を解くため,申請者等は,この界面のモデルを提唱し,界面はミクロ的にも無理指数で表わされ,界面の歪を弾性的に緩和しているとしている。
|
-
[Publications] 原 徹,上庭 卓也,板東 義雄,大塚 和弘: "High Resolution Electron Microscopy of Twin Boendaries of the ri CuーAlーNi Marteusite." Moterials Transactions JIM.
-
[Publications] 原 徹,大庭 卓也,宮崎 修一,大塚 和弘: "Electron Microscopy study of Type II Twins in the ri Marteusite in a CuーAlーNi Alloy" Materials Transactions JIM.