1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680055
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小川 昭二郎 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (20013196)
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Keywords | 汗 / アミノ酸 / 高速液体クロマトグラフィ- |
Research Abstract |
汗の被服に対する影響は重要である。これまで汗の衣料品への作用に対する試験方法は人工汗を使うことが一般的であった。本研究の目的は高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)により直接汗の分析を行ない、汗成分の変化や被服材料への影響を調べることである。 本年度は汗中のアミノ酸に着目し、HPLCにより汗中のアミノ酸を簡便に分析するための分析条件を確立することを目的とした。まず、試料として混合アミノ酸標準液を用い、カラムはシルカ-ODSカラム、検出器はUV検出器を用いた。紫外線吸収ラベル化剤としてοーフタルアルデヒドと2ーメルカプトエタノ-ルを用い、プレカラム誘導体化法により分析を行った。まず、測定波長として350nmが最も適当であることがわかった。さらに、溶離液としてアセトニトリル/メタノ-ル/酢酸ナトリウム緩衝液混合溶媒を用い、グラジエントの条件を種々検討することによりベ-スラインをフラットにすることが出来た。この条件で16種類のアミノ酸を含む標準液の測定を行い、GlyとThrの分離にはいたらなかったが、他のアミノ酸はすべて分離同定することが出来た。次にこの条件を用いて汗の分析を行なった。汗の採取方法は、皮膚上の汚れが入るのを防ぐため、皮膚上に流動パラフィンをぬりパラフィン上を伝わる汗を採取した。汗はミリポアフィルタ-でろ過した後、ー18℃で冷凍保存して、使用する際、室温で自然解凍したものを用いた。汗60μlにあらかじめ調製しておいたラベル化剤6μlを添加し、1分後に試料ル-プにより20μlを注入した。ピ-クがよく分離したクロマトグラムが得られ、汗中の12種類のアミノ酸の同定が出来た。アミノ酸濃度にはかなりの個人差がみられたが、いずれもAla,His,Argの3種のアミノ酸の占める割合が高く、3種で70%に達した。他のアミノ酸のなかには個人差のあるものと、あまり個人差がみられないものとに分類出来た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小川 昭二郎: "高速液体クロマトグラフィ-による汗の分析" 家政学会誌.
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[Publications] 中島 利誠・小林 彰夫編著: "生活と環境(構座人間生活学2)" 垣内出版株式会社, 234 (1989)