1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680077
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Research Institution | Sakura no Seibo Junior College |
Principal Investigator |
南 一守 桜の聖母短期大学, 家政学科, 教授 (60200078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 泰宏 桜の聖母短期大学, 家政学科, 講師 (50161849)
木村 美智子 桜の聖母短期大学, 家政学科, 講師 (70214898)
荒井 冨佐子 桜の聖母短期大学, 家政学科, 助教授 (10193054)
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Keywords | 生活雑排水 / 厨房排水 / 水質汚濁 |
Research Abstract |
福島市内を流れる河川の水質汚濁の現状を把握するため、下水道完備の市街地を流れる河川(祓川)、および下水道未整備の郊外住宅地・農村部を流れる河川(大森川)について水質調査を行なう一方で、その周辺地域住民に対し、生活雑排水に関するアンケ-トを実施し水質汚濁に対する認識状況を調査し、以下の結果を得た。1.補助金により購入した分光光度計によりNH_4^+、PO_4^<3->およびCODを測定し、(1)3項目とも全体的に低値ではあるが、祓川の数カ所の流入口では高いCOD値(5〜10ppm)を観察した。これは、下水道完備地域にも関わらず下水道を使用しない家庭が存在することを示している。(2)大森川では、人口密度が低いことや阿武隈山系が近在するため地下水が豊富に流れていること等が幸いし、上流での汚濁は進んでいない。しかし、下流に移るに従い何れの数値も10倍近く上昇・悪化の傾向にあり、流入する雑排水の量すなわち生活世帯の密集度に大きく影響されることが示された。(3)市販の水質簡易測定用パックテストを用いて同様に測定し、光度計による結果と比較した所、実用的に使用できることを確認した。広範囲に亘る水質調査においては、汚濁状況を迅速に知る上で有効な手段になると考えられる。2.555世帯を対象としたアンケ-ト調査(回収率54%)では、7割の家庭で厨房排水が水質汚濁の原因として認識していることや、使用済み油の処理、水切りネットの使用など有形の汚濁物質の除去対策がかなり実施されていることが確認された。しかしながら、鍋や食器の汚れおよび米のとぎ汁や食べ残しの液状食品に関してはそのまま流してしまう家庭がほとんどであることが示された。食品摂取状況の調査からも、残渣に占める液状食品の割合が多く、今後は液状食品の処理に対して家庭レベルでどの程度削減可能であるかを明示する必要があると考える。
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