1991 Fiscal Year Annual Research Report
非イオン界面活性剤の土壌環境中での消失に関する研究
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02680079
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Research Institution | Aoyama Gakuin Women's Junior College |
Principal Investigator |
阿倍 幸子 青山学院女子短期大学, 家政学科, 教授 (80084226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 泰子 青山学院女子短期大学, 家政学科, 非常勤講師
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Keywords | 非イオン界面活性剤 / 粘土への吸着 / 吸着等温線 |
Research Abstract |
平成2年度には、ポリオキシエチレンアルキルエ-テル(AE)の粘土(カオリンおよびセリサイト)への吸着性について検討し、低濃度で単分子吸着をしたのち、濃度の増加とともに吸着等温線が多段型を示し、多分子層の吸着が生じていることが推定され、cmc付近の濃度で吸着量は飽和に達することを見出した。本年度は、更に条件を変えて検討を続けた結果、第1段目の単分子層の飽和吸着量は粘土の種類によらずほぼ一定で、炭素数12のAEの場合、EO_5では1.4μmol/m^2、EO_8では1.1μmol/m^2程度であった。また、2段目からの吸着量の増分は、それぞれ単分子層の飽和吸着量とほぼ等しく、前年度に推した吸着が確認された。この多分子層の吸着は、粘土と接触させた溶液の初濃度がcmcを超えると起こり、初濃度がcmc以下の溶液と接触させた場合は、多段型の吸着等温線は示さなかった。 次に、非イオン界面活性剤(AEまたはポリオキシエチレンノニルフェノ-ルエ-テル(NPE))と陰イオン界面活性剤(SDS)の共存系における各活性剤の粘土への吸着性について検討した。NPE(EO付加モル数20)とSDSとの系では明確な結果が得られ、共存系では界面活性剤が優先的に粘土表面に吸着し、この吸着面に陰イオン界面活性剤が吸着するものと推定された。 なお、EO付加モル数のことなるAE混合系の生分解性、および吸着性については、測定の精度が不十分で明確な結果が得られず、なお研究を継続中である。
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