1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680114
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
加賀谷 淳子 日本女子体育大学, 体育学部・基礎体力研究所, 教授 (80083096)
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Keywords | 同時運動 / 単独運動 / 下腿血流量 / 前腕血流量 / 血流再分配 / 抑制的加算 / 運動強度 |
Research Abstract |
本研究は、複数筋群が活動する運動時の末梢循環調節を明らかにすることを目的とし、次の2種類の実験を行った。1)下腿と前腕に1/3MVC相当の負荷を与えた60秒間の動的運動(60回/分)を、それぞれ単独に、あるいは同時に行わせて、下腿と前腕の血流量(Venous Occluslon Method)、VO2,HRを測定した。2)10%MVC相当の足底屈運動を30秒間行い、その後も安静を保っている場合と、30,50,70%MVC相当の手掌握運動を30秒間加えて、手・足同時に運動した時の、運動終了直後の下腿と前腕の血流量を測定した。得られた結果を要約すると以下の通りである。 1、前腕・下腿ともに30%MVC強度の運動を同時に行った時の前腕・下腿血流量は、それぞれが単独に運動した時と有意差がなかった。しかし、全身のVo2とHRは各運動の単純加算より小さく、両体肢の血流が局所的には影響されないような運動において、中枢性の呼吸循環系応答は抑制的加算になっていることが明らかになった。 2、前腕を非活動状態にして、10%MVC相当の足底屈運動を行った時の下腿血流量は、9.836±0.961ml・100ml^<-1>・min^<-1>であった。30%MVC相当の手掌握運動を加えても、下腿血流量は有意な変化を示さなかった。しかし、50,70%MVC相当の手掌握運動を加えると、それぞれ8.489±0.675と7.038±0.66850ml・100ml^<-1>・min^<-1>となり、30%MVC運動時に比べて50%MVCでは5%、70MVCでは1%の危険率で有意に減少した。前腕血流量は10,30%MVCで有意に増加して、50,70%MVCでプラ-ト-に達していた。 3、以上のように、前腕・下腿ともに1/3MVC強度の運動では、同時に運動しても各体肢の血流が影響されることはなかったが、軽度の下腿運動に50%MVC以上の強度の高い前腕運動を加えると、血流増加が抑制されることがわかった。したがって、他の体肢の活動による末梢血流の再分配には運動強度の影響の大きいことが示唆された。
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Research Products
(1 results)