1992 Fiscal Year Annual Research Report
脱トレーニングが喘息児の有酸素性作業能及び運動誘発性喘息と気道過敏性に及ぼす影響
Project/Area Number |
02680120
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
進藤 宗洋 福岡大学, 体育学部, 教授 (30078539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西間 三馨 国立療養所南福岡病院, 院長
田中 守 福岡大学, 体育学部, 助教授 (00163577)
田中 宏暁 福岡大学, 体育学部, 教授 (00078544)
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Keywords | 運動誘発性喘息 / 乳酸閾値 / 有酸素性作業能 / 脱トレーニング / 気道過敏性 |
Research Abstract |
本研究では、有酸素性作業能と運動誘発性喘息(以下EIB)及び気道過敏性を改善させたトレーニングの中止(脱トレーニング)がそれぞれに変数の及ぼす影響を検討した。対象は入院中の喘息児15名(平均11.3±1.4歳)である。有酸素性作業能の指標は自転車エルゴメーターによる漸増負荷試験によって求められた血中乳酸閾値(以下LT)が用いられ、それを固定負荷試験の基準値100%LTとし、150%.175%LTの3強度が設定された。先に設定された3強度について6分間の固定運動負荷試験を行い、その前後にオートスパイロメーターを用いて肺換気機能を測定し、前値に対する後値の低下率が算出され、EIBが評価された。気道過敏性はヒスタミン吸入試験によって評価された。全員が自転車エルゴメーター(以下CE)を用いて連日、前半3週間(以下W)は20分間、後半は3Wは30分間計6W、125%LT強度でトレーニングを施行した。その後3W、トレーニングを中止をする群7名(以下TC群)、トレーニングを継続する群8名(以下TT群)とに分けた。その結果、TC群において、6週間のトレーニングにより有意に改善した有酸素性作業能は、脱トレーニング3週間目には有意な低下を示し脱トレーニング17週間後も同様であった。150%LT同一絶対強度において、EIBはトレーニングにより改善し、脱トレーニング3週間後も維持された。しかし、脱トレーニング17週間後にはトレーニング前と比較して有意な差は認められなくなった。TT群においては6Wと9Wともに有酸素性作業能、EIBとも改善していた。トレーニング6週間後に改善傾向が観察された気道過敏性は、トレーニングを継続したTT群においては有意な改善がみられたが、TC群においては脱トレーニングによる変化は認められなかった。 以上の結果から、改善した有酸素性作業能とEIBはトレーニングの中止により低下し、トレーニングの重要性が示唆されたとともに、その影響はEIBと気道過敏性よりも有酸素性作業能の方に早期に現れる可能性が示唆された。
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