1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680123
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Research Institution | Okayama Prefectural Junior College |
Principal Investigator |
犬飼 義秀 岡山県立短期大学, 体育科, 講師 (40123814)
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Keywords | 仲間集団 / 社会化 / スポ-ツ集団 |
Research Abstract |
人間の社会的発達という点から見た場合、少年時代の特徴は何よりも子供集団への帰属にあり、子供集団における社会化にあるといってよい。ところが、こうした社会化機能を持つ子供集団は、脆弱化し変容してきたと言われて久しい。 その原因として、小学校4〜6年生642名の調査から生活時間に占める学習活動時間の増大が考えられる。65.4%の者が週平均2.5日習い事に、36.3%が1.9日通塾しており、1回の平均学習時間間それぞれ95.7分・82.9分という実態である。また習い事・通塾は平日に集中し、時間帯も帰宅後から夕食まである。こうした状況から、平日の生活における自由時間は制約されていると考えられる。また平日の帰宅後の状況下では、複数の仲間と群れを成して遊ぶという現象はほとんど見られない。 現在の子供にとっての仲間あるいは仲間集団と呼ぶものは、学校生活においてのみ見られる状況ではないだろうか。それは学校での友達数について、5人以上いるという回答者が69.2%であるにもかかわらず、家庭での友達数5人以上は21.9%に減少する。 こうした生活時間に占める自由時間の制約、友達数の減少は仲間集団の成立の機会を奪うばかりか、仲間とともに独自の世界を形成し精神的自律の達成という少年期の発達課題からも、スポ-ツ少年団の果たす役割は大きいと考える。 ただスポ-ツ少年団の内部構造についての分析から、レギュラ-とイレギュラ-の間に人間関係で隔たりが生じている実態が浮き彫りにされつつある。
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Research Products
(1 results)