1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川嵜 伸子 京都大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70077676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
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Keywords | 動物レクチン / 血清レクチン / コングルチニン / マンナン結合タンパク質 / 固定化レクチン / レクチンブロッティング / 糖タンパク質 / 糖結合特異性 |
Research Abstract |
1.非働化ウシ血清5lより、Nーアセチルグルコサミン(GlcNAc)に特異的なレクチンであるコングルチニン(Kg)を70mg、ウサギ血清5lより、マンノ-ス(Man)およびGlcNAcに特異的なレクチンであるマンナン結合タンパク質(MBP)を120mg精製した。 2.精製レクチンを固定化する条件を検討した。Kg、MBPはいずれも高分子であるため、まず、0.1%Triton Xー100を含むホウ酸緩衝液(pH8.6)で可溶化した。次いで、Biobead SMー100を含むホウ酸緩衝液に対して透析してTriton Xー100を除いた後、Ca^<2+>,マンノ-スの各10mM存在下で,BrCN活性化セファロ-ス4Bにカップリングさせると、レクチン活性を失うことなく固定化できることがわかった。 3.各種 ^<125>Iー標識ネオ糖タンパク質を用いて、両レクチンカラムの結合特異性を調べた。MBPカラムには(GlcNAc)_<43>ーBSA、(Man)_<33>ーBSA、(LーFuC)_<28>ーBSAがCa^<2+>存在下で結合し、EDTAで定量的に溶出された。一方、Kgカラムには(GlcNAc)_<43>ーBSAのみが結合し、両レクチンカラムの結合特異性にかなりの差異があることが示された。 4.ラット肝細胞粗面ミクロゾ-ムホモジェネ-トのTriton Xー100抽出物をSDSーPAGEにかけ、ニトロセルロ-ス膜に転写した。膜をCa^<2+>存在下で ^<125>Iー標識MBPと反応させた後,オ-トラジオグラフィ-で検出すると(レクチンブロッティング)、血清糖タンパク質生合成中間体であると推定される数個のポジティブスポットが得られた。 5.Kgを単離する際、ウシ血清を予め非働化しない場合にはKgは得られなかった。Kgサブユニットは45KDaであるが、非働化しない血清由来のものは38KDaに変化しており、Kg分子のアミノ末端側が血清中のプロテア-ゼにより限定分解を受けたと考えられた。動物レクチンの構造と機能に関する興味ある知見として、この点も検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 川嵜 伸子: "コングルチニンの分子的性状と補体非働化" 生化学. 62. 898 (1990)
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[Publications] Nobuko KAWASAKI: "Alteretion of the structure and function of conglutinin by endogenous protease(s)." Proceeding of 11th International Symposium on Glycoconjugates. (1991)