1990 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質のアミノ未端プロセシングに関与する酵素系の解明とその生理的役割
Project/Area Number |
02680135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
綱沢 進 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (30029962)
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Keywords | プロセシング / アセチル化 / イニシエ-タ-メチオニン / Nーアセチルトランスフェラ-ゼ / メチオニンアミノペプチダ-ゼ |
Research Abstract |
イニシエ-タ-メチオニン(Met^i)に続くアミノ酸を20種のアミノ酸に変えたパン酵母シトクロムOの変異体でのN末端プロセシングの研究より,真核細胞でのN末端プロセシングの様式がほぼ解明され,N未端プロセシングには少くとも3種の酵素;メチオニンアミノペプチダ-ゼ(MAD)ならびに2秒のNーアセチルトランスフェラ-ゼ(NAT1およびNAT2);が作用することが明らかになった。そこで本研究では,これら3種の酵素をパン酵母より単離することを試みた。NAT1については,既にパン酵母変異株より本酵素の欠損株が得られその遺伝十構造が解明されていたので,これをプラミドに挿入し,本酵素の合成を増巾させた菌株を用い,NA+2およびMAPについては,主なプロテア-ゼが欠損したパン酵母菌株を使用した。この結果,NAT1は,分子量約95,000の同一サブユニットよりなるタンパク質で,PH8付近にその至適pHを示し,特にN未端セリン,アラニンのアセチル化に特異性を示す酵素であること,NAT2は,分子量約75,000のタンパク質で,N未端MetーGluーおよびMetーAspーに対してアセチル化を触媒する酵素であること,MAPは分子量約30,000のタンパク質で,Ca^<2+>あるいはMn^<2+>によって活性化される金属酵素でその至適pHは7〜8であること等が明らかになった。今後はこれら3種の酵素についてその完全な精製と構造解析を進めて行く。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Richard P.Maerschell,Yumi Hosokawa,Susumu Tsunasawa & Fred Sherman: "The Specificities of Yeast Methionine Aminopeptidose and Acetylation of Aminoーterminal Methionine in vivo" The Journal of Biological Chemistry. 265. 19638-19643 (1990)
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[Publications] Susumu Tsunasawa,Hikaru Tokakura & Fumio Sakiyama: "MicroーSequence Analysis of N^αーAcetylated Proteins" Journal of Protein Chemistry. 9. 265-266 (1990)
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[Publications] John M、Clements,Lisa I.Oconnell,Susumu Tsunasawa & Fred Sherman: "Expression and Activity of a Gene Encoding Rat Cytoohrome C in Yeast Saccharomyces cerevisiae" Gene. 83. 1-14 (1989)