1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680138
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広津 建 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10047269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉光 成紀 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (60153368)
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Keywords | アミノ基転位酵素 / X線結晶解析 / 高次構造 / 人工変異体 |
Research Abstract |
大腸菌アスパラギン酸アミノトランスフェラ-ゼ(AspAT)および2ーメチルアスパラギン酸との複合体の高次構造をX線結晶解析法により高分解能(1、8A^^゚)で決定した。各結晶のX線回折デ-タは高エネルギ-物理学研究所放射光実験施設において収集した。回折デ-タはIP(イメ-ジングプレ-ト)に記録されるが,このIPデ-タの処理プログラムWEISを本大学計算センタ-で使えるようにした。WEISで処理した反射デ-タを用いて,プログラムXPLORとTOMーFRODOによりタンパク構造の精密化と再修正を繰り返した。その結果信頼度因子RはAspATとAspAT・2ーメチルアスパラギン酸に対しともに0.22に下がった。AspATは2個のサブユニットからなるα_2ダイマ-であり,サブユニットと小ドメインと大ドメインに分けられる。高等動物AspATに見られる基質取り込みに際しての大きなコンホメ-ション変化が大腸菌の場合にも見られた。この動きは小ドメインが活性部位を閉じる様に大ドメイン方向に約5゚回転することによるものである。活性部位の重要なアミノ酸残基の空間配置は高等動物と大腸菌の間でよく保存されていた。基質類似体である2ーメチルアスパラギン酸が結合すると活性部位から4個の水が追い出され,2ーメチルアスパラギン酸のの2個のカルボキシル基はアルギニント塩橋を形成する。この水分子の放出と塩橋の形成による電荷の打消しが大きなコンホメ-ション変化の主な理由と考えられる。AspATおよびAspAT・2ーメチルアスパラギン酸の高分解能での構造決定は基準座標が得られた事を意味し,反応機構の解明にとって重要な意味を持つ。活性部位の重要な残基Y70を下でまたY225を下で置換した人工変異体のX線結晶解析を行なって,分光デ-タと共にこれらの残基の役割の解明を行なった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsura Inoue: "Tyr225 in Aspartate Aminotransferase:Contribution of the Hydrogen Bond between Tyr225 and Coenzyme to the Catalytic Reaction" J.Biochemistry. (1991)
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[Publications] Katsura Inoue: "SiteーDirected Mutagenesis of Esherichia Coli Aspartate Aminotransferase:Role of Tyr70 in the Catalytic Process" Biochemistry,.
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[Publications] Akihiro Okamoto: "ThreeーDimensional Structures of Escherichia Coli Aspartate Amino travsferase in Open and Closed forms at 1.8 A^^゚ Resolution"