1990 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性因子による腫瘍ウイルスDNAの転写と複製の調節機構
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02680154
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中西 義信 金沢大学, 薬学部, 助教授 (40172358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 仁美 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (90196428)
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Keywords | アデノウイルス / 転写制御 / 無細胞転写反応 / DNA結合タンパク質 / 生化学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
12型アデノウイルスのE1A遺伝子の転写調節因子について、以下の解析を行なった。この遺伝子はD,Pと呼ぶ2つの転写単位を持つ。 1.D転写調節因子の精製とその性質 (1),a領域結合因子の精製 D転写はa領域と名づけられたDNA領域により、特異的に促進される。そこでこの領域に結合する因子を、エ-ルリッヒ腹水癌細胞から精製した。最終精製標品は、53および55キロダルトンの2本のペプチドを含んでおり、このいずれもが特異的DNA結合活性を有していた。 (2),a領域結合因子とHeLa細胞NFIの比較 a領域にはアデノウイルスDNAの複製促進因子であるNFIが結合することが分っていた。そこで精製したa領域結合因子がNFIと同じ性質を持つか否かを調べた。その結果、両者はDNA結合活性、DNA複製促進活性とも、ほぼ同様に有することがわかった。よって、a領域結合因子はマウスのNFIであると結論した。 2.P転写調節因子の同定 (1),ESF1の同定 P転写開始部位の上流域とさまざまな長さ欠損する変異体DNAを作製し、無細胞転写反応により解析した。その結果、TATAボックスのすぐ上流の約15塩基対の部分を失うと、P転写が顕著に減少した。次に、この領域に結合する因子と検索したところ、HeLa細胞の核抽出液中に見い出され、これをESF1と名づけた。 (2),ESF1の性質 ESF1は5'TGTCA3'という塩基配列に結合した。このような塩基配列を認識する因子は、これまで知られていない。また、ESF1はE1Aタンパクによる活性変動を受けないことが示唆された。
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[Publications] Satoshi Koikeda: "Nuclear factor I stimulates transcription of the adenovirus 12 ElA gene in a cellーfree system" Biochimica et Biophysica Acta. 1048. 85-92 (1990)
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[Publications] Hitomi ShibataーSakurai: "Transcription stimulation of the adenovirus type 12 ElA gene in vitro by a novel factor bound to a region adjacent to a TATA box"