1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02680179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関村 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (10183055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 直毅 東京大学, 工学部, 助教授 (30011208)
岩田 修一 東京大学, 工学部, 助教授 (50124665)
石野 栞 東京大学, 工学部, 教授 (70010733)
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Keywords | イオン照射 / 照射損傷 / ジルコニウム合金 / チタン合金 / 析出物 |
Research Abstract |
ZrーSnおよびZrーNb系を基本としたジルコニウムモデル合金を東大工学部総合試験所の高融点金属溶解システムを用いて溶製し、薄板状に加工した。これを購入した試料薄片作成装置(テヌポ-ル3)を用いて電子顕微鏡観察可能な薄膜とするための、電解液、電圧などの条件を求めた。薄膜化した試料は、東大原子力工学研究施設内の重イオン加速器と電子顕微鏡を連結した「その場観察」装置を用いて、400keVのアルゴンイオン照射しながらそのミクロな組織変化を観察した。この場合の損傷導入速度は約1x10^<ー3>dpa/secであり、試料温度は常温とした。この結果、ジルカロイ中の析出物に注目して10dpa相当までビデオ録画しつつ追跡したが、そのサイズに変化が観察されなかった。析出物内部にも、マトリックスと同様に欠陥クラスタ-が観察されるが、イオン照射においては10dpaまでの照射量では、アモルファス化がおこっていないと結論された。 ジルコニウム合金と同様に六方晶金属であるαチタン合金の実用合金(Tiー6242SおよびTiー811)に対して、東大原子力研究総合センタ-の重イオン加速器によって3〜4MeVのニッケルイオン照射を50dpaまで行い、照射後、損傷部分を上記の試料薄片作成装置を用いて薄膜化した。その電子顕微鏡観察から照射によるミクロ組織変化には、試料の種類による差異は認められず、高温相であるβ相はα相よりキャビティの生成が極端に少なく耐スエリング性に優れている。マトリックス中には照射下で析出物が形成し、その挙動は照射温度に依存していた。析出物組成はTi_3Alであると考えられる。また、溶質原子の照射誘起偏析は認められず、転位組織の発達には照射条件の各パラメ-タの寄与はみられなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Naoto Sekimura: "The Effect of Titanium Addition on Microstructural Evolution in Anstenitic Steel Irradiated with Fast Neutrons in FFTF" Journal of Nuclear Materials. 176. (1991)
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[Publications] Shiori Ishino: "Role of Charged Particle Irradiations in the Study of Radiation Damage Correlation" Journal of Nuclear Materials. 174. 158-167 (1990)
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[Publications] Hiroyuki Sakaida: "Inーsitu Observation of Cascade Damage in Nickel and Copper under Heavy Ion Irradiation" Journal of Nuclear Materials. 176. (1991)
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[Publications] Akira Fukumura: "Time Development of Cascade by Binary Collision Approximation Code" Journal of Nuclear Materials. 176. (1991)